調布市に住む天文家の田中一幸さんが2月7日朝、田中光学天体観測室(調布市深大寺元町2)でルーリン彗星(すいせい)の写真撮影に成功した。
ルーリン彗星は2007年に台湾のルーリン天文台で発見された天体で、2月24日、地球に最も近づく。その前後の数日間が明るくなり、4等級で観測されると期待されている。予想通りの明るさになれば同市でも双眼鏡や望遠鏡で見ることができ、空の暗い場所なら肉眼でも見える可能性がある。
田中さんは今までにも日本内外で、多くの彗星や流星などの天体を撮影している。「天体用冷却CCDカメラを使って撮影しているので、彗星本来の色に近い青色がよく写った。デジタルカメラだとその特性上、緑がかった色に写るかもしれない」と話す。
ルーリン彗星は地球と太陽との位置関係から、尾があまり長く見えないと予想されている。中央にある恒星状の集光の周りにコマと呼ばれる淡いガスが広がり、全体としては小さな雲のようなぼんやりとした面積体に見える。また、彗星は星座の間をどんどん移動するので、見える位置と時間が日々変わる。21日は2時ごろ南の空高いところに来るため、その前後の時間帯が観測しやすい。再接近の25日は1時ごろ、3月1日は23時ごろ南に見える。
国立天文台では観測好機に合わせて2月20日~3月1日、一般に観察した日や場所を報告してもらう「『ルーリン彗星見えるかな?』キャンペーン」を行っている。インターネットの専用ページや携帯サイトから参加できる。