東京アートミュージアム(調布市仙川町1、TEL 03-3305-8686)で現在、6人の作家による共同展示「Philosophiae naturalis principia artificiosa-自然哲学としての芸術原理-」の連続個展「第2回 吉川陽一郎(Youichiro YOSHIKAWA)」が開催されている。
彫刻家の吉川さんは1955年宮崎生まれ。多摩美術大学彫刻科卒業後、モリス画廊やギャラリー ル・デコ、神奈川県立近代美術館(葉山)やセゾン美術館などで個展やグループ展を開催。現在は多摩美術大学美術学部彫刻学科で非常勤講師も務めている。
同展は「落堕墮墜」「逃げる四角」「壁-2」「壁-1」「転送器 受用-1」の5点を展示している。「落堕墮墜」は、木材でできたロッキングチェアの足と背もたれをかたどった部分、アルミニュウム製のコロコロ転がる4本の足、重しの役目をする4つの鉛が詰まったコーンのような形のもの、壁に打ち付けた4つの鉄輪、そして1本の麻ひもを使って、微妙なバランスのもとに構成されている作品。
吉川さんは「作品のテーマは『重力』。重力は、視覚的に現実の世界の『秩序』を形成しているもの。彫刻には、『重力から逃れているように見える=秩序からはずれているように見える』要素があると思う。それを視覚的に表現したい」と話す。今夏に横浜の中山の森、11月に茨城県つくば美術館でグループ展を開催する予定。
開館時間は、月曜・木曜・金曜=11時~18時30分(入館は18時まで)、土曜・日曜・祝日=10時~18時30分(入館は18時まで)。火曜・水曜休館。入館料は、一般=300円、大学・高校生=200円、以下無料。3月9日まで。