調布・神代植物公園で関東大震災から人を守った植物展-防災と緑見つめ直す

関東大震災を語り継ぐ植物たち「大手濠緑地のイチョウ」

関東大震災を語り継ぐ植物たち「大手濠緑地のイチョウ」

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 都立神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)の植物会館展示室で現在、「災いを乗り越えた植物たちII ~関東大震災から90年 災いを語り継ぐ植物たち~」が開催されている。

関東大震災を語り継ぐ植物たち「浅草寺のイチョウ」

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 今年9月1日に関東大震災から90年を迎えることから、関東大震災という災いを生き延びた植物たちを紹介する同展。10万人以上の死者・行方不明者を出した関東大震災の被害の多くは大規模な火災によるものだったが、同展では大規模火災から人々を守り、今日まで生きながらえた植物たちをパネルで紹介しながら、「地震防災」と「街の中のみどり」との関係をあらためて見つめ直し、日頃から身近な自然と触れ合うことの大切さを呼び掛ける。

 パネル展示では、「大手濠(おおてぼり)緑地の震災イチョウ」や「神田明神のイチョウ」など「災いを乗り越えた樹木」や「横網町公園 震災復興記念館の展示立木」などの「災いを体験した樹木」、「湯島天神のイチョウ」などの「延焼を防いだ樹木」など14の植物を紹介する。また、被災樹木と東京大空襲の焼夷(しょうい)弾の被害を受けた樹木の傷を見極めることは非常に難しいため、「東京市火災動態地図」を元に、燃え止まり部にある社寺や公園の抽出、既往文献の読み込み、東京の巨木・大木を抽出し、現地調査やヒアリングを実施。既往文献や過去の写真により再度絞り込み、再度ヒアリング調査を行った。ヒアリングでも分からない樹木は、幹回りなどを考慮して選定し、それでも分からないものには「検証を要する樹木」として紹介する。また、日時限定で担当職員が展示解説も行うという。

 同園担当者は「大規模火災で焼け野原となった中、生き残り、また、人々を助けた樹木たちの姿をご覧いただき、『植物ってすごいよね』と感じていただければと思う。この展示会をきっかけに、実際の植物たちを見に行ってほしい」と話す。

 開催時間は9時30分~16時30分。入場無料。9月8日まで。解説日時は8月31日、9月1日・7日・8日。各日11時~、15時~。 各回40分程度。

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