公益財団法人野球殿堂博物館(文京区後楽1)が1月23日、今年の野球殿堂入りを発表し、特別表彰に調布市出身の故・林和男さんが選ばれた。
林さんは、当時米国で隆盛だったリトルリーグを「日本の子どもたちにもやらせてあげたい」と、1964年に日本リトルリーグを創設。1965年に調布チーム(現・調布リトルリーグ)を立ち上げ、1967年には「西東京リトルリーグ」チームとして、全日本リトルリーグ野球選手権大会の第1回大会に優勝。その後行われた世界選手権大会にも日本代表として参加し、リトルリーグ世界一を果たした。
リトルリーグ経験者が高校野球まで硬式野球のブランクを生じさせないようにするため、1970年に調布リトルシニアリーグ(中学生硬式野球)を立ち上げ、荒木大輔投手など約20人以上のプロ野球選手を輩出。2005年に、全日本リトル野球協会が財団法人となるに伴い会長に就任し、2009年9月に85歳で亡くなるまでその職を務めた。現在は、林さんの名を永久に残そうと、2010年からシニアリーグで「林和男杯」という大会を開いている。
林さんの長男で林建設の林 清一さんは「50年前に『米国からリトルリーグがやって来る。米国に行けるぞ』と言われ、仲間11人を集めてスタートした。実際に米国に行き、各国の子どもたちが野球を通じて交流できることを実感した。1人でも多くの日本の子どもたちにこの経験をさせたいとリトルリーグの普及に努め、多くのプロ野球選手も出した。子どもが大好き、子どものためだけに50年頑張ってきた。野球界最高の栄誉をいただいたことを墓前で報告したい」と話す。