調布の武者小路実篤記念館(調布市若葉町1、TEL 03-3326-0648)で現在、春の特別展「偉人に学ぶ実篤の生き方 伝記ものの世界」が開催されている。
直筆の原稿や書画、著書の装丁原画なども展示する「偉人に学ぶ実篤の生き方 伝記ものの世界」
1885(明治18)年生まれの武者小路実篤は、文学だけでなく書画や美術評論、演劇、思想など幅広い分野で多くの業績を残した作家。実篤は、「伝記時代」と呼ばれる大正末から昭和初めにかけて、トルストイや井原西鶴、釈迦(しゃか)などの偉人をテーマとした伝記文学や評伝を多く執筆したほか、生涯を通じて偉人に対する深い関心を作品の中で見せている。
同展は「伝記時代」の作品に限定せず、直筆の原稿や書画、著書の装丁原画などを展示し、「若い時は世界一の人間になりたかった。齢をとってから僕は本当の人間になりたい」と言う実篤にとって、人物を描くことにどのような意味があったのかを探るのが狙い。関連事業として5月21日に二松学舎大学教授の瀧田浩さんを迎え、読書講座「武者小路実篤の『井原西鶴』を読み解く」を開く。
会期中は、実篤の絵の描き方を体感できる恒例の催し(5月4日、5日)や初夏の自然観察会(5月14日)なども開く。
開館時間は9時~17時。月曜休館。入場料は、大人=200円、小・中学生=100円。6月5日まで。読書講座の開催時間は13時30分~15時。参加費250円(入場料別途)、定員20人。要申し込み。