旧甲州街道沿いにある老舗陶器店「和技香 和季(わざっか かずき)」が5月31日で閉店する。
店主の田中和己さんの父、勝治さんが1947(昭和22)年に創業した同店。当時の屋号は「ヤマヤス陶器店」で、せとものを中心に扱っていた。
三男の和己さんが店を受け継いだのは高校卒業直後の1968(昭和43)年。その後、屋号を「和季」に変え、調布の地名でもある「布」にちなんだ商品をはじめ、せとものだけでなく、時代の流れにあわせたさまざまな和雑貨やこけ玉、「調布手拭い」などの自社デザインのオリジナル商品も販売するようになった。
閉店の理由について、田中さんは「近隣で物販店が減少し、買い物客が回遊しなくなったことに加え、カタログギフトやネット通販などの普及により、売り上げの多くを占めていた贈答品の注文が激減したから」と話す。
今後は、実篤記念館や「い志井」グループの手拭い製作の実績を基に、オリジナル手拭いの製作販売や、イベントなどでの和雑貨の出張販売業を中心に行っていくという。