調布の武者小路実篤記念館に隣接する実篤公園（調布市若葉町1、TEL 03-3326-0648）で現在、「ヒカリモ」が見頃を迎えている。

自然豊かな実篤公園の様子

　暗所で光を反射させることで黄金に光って見えるヒカリモは、単細胞生物の藻類。豊かな湧き水やうっそうと茂った樹木がないと生息が難しく、都心に近い場所で発見されるのは極めて珍しい。都内では同園が唯一の公開生息地という。

　ヒカリモが生息しているのは、園内ショウブ園にある八橋奥の石で囲まれた一角で、1988（昭和63）年度の公園改修の際に上の池より水を引くために造られた場所。2005年に来園者が指摘したことをきっかけに生息が発見された。初夏から9月ごろまでが見頃で、太陽光が強い日にはより輝いて見える。

　熱心に写真を撮る世田谷区の女性は「自然豊かで驚くほど静かな公園に、ひっそりと輝くヒカリモは神秘的。小さな水たまりの中で存在を主張しているように思える。見たままの感動を写真に収められれば」と話す。

　実篤記念館は「ヒカリモは生物なので、気象条件などで状態が変わり、強い風や雨の後や猛暑の最中は光って見えなくなることもある。その日の状態を問い合わせてから来園してほしい。時間帯によっても見え方が変わり、15時以降は白っぽく見えることが多いので、早めの時間がおすすめ。とても繊細な生物なので、決して近づかず、木道から見てほしい」と呼び掛ける。

　開園時間は9時～17時。月曜定休。入園無料。