調布の早咲き桜として親しまれている、通称「ハリウッドの大寒桜」(調布市調布ヶ丘3)が見頃を迎え、近隣住民や行き交う人々の目を楽しませている。
同桜は1962(昭和37)年にハリウッド化粧品が工場を設立する際に植えた大寒桜(オオカンザクラ)のうちの2本で、2000年の工場移転に伴うマンション建設で一時は伐採も予定されたが、市民の強い要望により保存が決まった。
大寒桜はソメイヨシノに先駆けて開花する早咲きの桜で、枝は横広がりに波打って水平に伸びる。花は一重で半開状に下を向いて咲くのが特徴。同桜は、幹周りが約2.5メートルの大木で、推定樹齢60年以上。例年、ソメイヨシノの開花時期まで咲き続け、同市の保存樹に指定されている。
今年の開花は早く2月半ばに日当たりのよい枝先から咲き始め、徐々に暖かい日が多くなったことから、日増しに開花が進んだ。現在、2本とも順調に花が咲いており、花の蜜を吸いにやってくるメジロも多く見られ、すでに木全体がピンク色に染まっている。近隣住民や通行人が足を止めて眺めたり写真を撮ったりし、いつもは静かな住宅街がにぎわいを見せている。