調布市せんがわ劇場(調布市仙川町1、TEL 03-3300-0611)で7月15日・16日、「第8回せんがわ劇場演劇コンクール」が開催された。
「第8回せんがわ劇場演劇コンクール」の参加団体・審査員たち(撮影:青二才晃)
同コンクールは、舞台芸術活動をしている劇団やグループを支援することを目的に2009年から開催。単に劇団の優劣を競うものではなく、同劇場による舞台芸術活動者の育成支援プログラムの出発点と位置付け、コンクール終了後もファイナリストを支援するという独自の特徴を持ったコンクールとして回を重ねている。
8回目となる今回は、今年4月に行われた1次審査を通過した6団体が作品を上演。審査を行ったのは、劇作家の篠原久美子さん、振付家・演出家・ダンサーのスズキ拓朗さん、演劇批評家の高橋宏幸さん、振付家・演出家・戯曲作家の矢内原美邦さん、演劇プロデューサーの矢作勝義さんが務める専門審査員のほか、アドバイザーを務めた演劇ジャーナリストの徳永京子さん、同劇場周辺地域の団体関係者による特別審査員、公募で募った市民審査員。
グランプリを受賞したのは、「Spacenotblank(スペースノットブランク)」の「Love Dialogue Now」。専門審査員の協議の結果、今をリアルに写し取った斬新な会話のスタイルが評価された。特別審査員、市民審査員および全ステージを観覧した観客の投票によって選出されるオーディエンス賞は、「くちびるの会」の「プールサイドの砂とうた」が受賞。そのほか、個人賞として、「HOLIDAYS(ホリデーズ)」の深堀絵梨さんに演出家賞、「Pityman(ピティーマン)」の山下由さんに劇作家賞、「waqu:iraz(ワクイラズ)」のキャスト全員に俳優賞が贈られた。
グランプリを受賞した「Spacenotblank」の中澤陽さんは「作品に関わったすべての人たちとコンクールの運営やサポートをしていただいた調布市せんがわ劇場スタッフの皆さまに心から御礼申し上げたい。これからもさまざまな試みで作品を作り続けていきたい」とコメントした。コンクールの結果を受け、アドバイザーの徳永京子さんは「ダンスの要素が含まれた作品が目立ったのが今年の特徴」と総評した。