調布の京王線多摩川駅近くで約45年営業を続けるたい焼き店「喫茶みよし」(調布市多摩川5、TE L042-482-3448)が現在、夏季メニューのかき氷やところてんなどを販売している。
1人で店を切り盛りするのは84歳になる店主の内田不二子さん。近所にあった「今川焼」店が閉店したのをきっかけに、繁盛するだろうと考え「たい焼き」店を始めることを決意し、1969(昭和44)年に同店を開店した。12席ある店内には、近隣住民がおしゃべりのために集い、遠方から来店する元常連客もいて、いつもにぎやかで長年地域に親しまれている。近年は、京王閣での「東京蚤(のみ)の市」などイベント開催時や京王フローラルガーデン「アンジェ」帰りの客など新しい層も訪れ、同駅周辺の人気スポットにもなっている。
開店当初、内田さんは購入した缶詰の餡(あん)の味が気に入らなかったため、北海道産の小豆を自分で煮るようになった。味を見ながら甘みを徐々に変え、「アンコがあっさりとおいしい」「甘さがちょうど良い」など、評判の味にたどり着いたという。夏場は、「たい焼き(お茶付き)」(150円)は販売せず、かき氷など他のメニューのみで営業。内田さんは「実は甘いものはあまり好きではない。糖尿病になると大変だから」と笑って話す。
かき氷メニューは、「ブルーハワイ」「いちご」「メロン」「レモン」(以上300円)や「あずき」「宇治」「いちごミルク」(以上500円)、「ミルク金時」「宇治金時」(以上600円)など。昔ながらの懐かしいガラスの器に盛り、銀のスプーンを添えて提供する。
メニューはこのほか、「焼きそば」(550円)、「いそべ巻き」(450円)、「ところてん」(300円)、「コーヒー」(350円)、「アイスコーヒー」「コーラ」(以上300円)などを用意。
内田さんは「店を始めて40年以上、長かったとは感じていないのでまだまだ続けていきたい。閉めてしまうと人生つまらないから。夏は氷がおいしいのに、今年はお天気の悪い日も多く、いつもほどかき氷が出ていないのが寂しい。お薦めは、『宇治金時』や『ミルク金時』」と元気に話す。日課はスズメへのご飯やり。にぎやかだった商店街はシャッターが下りたままの店も増え寂しくなったが、「喫茶みよし」の一角は、時代が止まったまま、時間がゆっくりと流れている。
営業時間は11時~17時30分ごろ。不定休(悪天候は休み)。たい焼きの販売は9月に入り涼しくなってから。