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調布の「鳥人」伊藤慎一さん、6つ目のギネス世界記録認定を獲得

重装備で高度2万5000フィートからパラシュートを開傘した伊藤慎一さん

重装備で高度2万5000フィートからパラシュートを開傘した伊藤慎一さん

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 昨年11月にパラシュートでの最高直線距離飛行記録でギネス世界記録に認定された調布市在住の伊藤慎一さん(54)に12月8日、ギネス認定書が届いた。

ウイングスーツ・フライングで富士山の周りを飛ぶ伊藤慎一さん

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 伊藤さんは陸上自衛隊での勤務を得てアメリカへ渡り、サバイバルスクールへ入学。実践的なスキルを学び、その後、アメリカ警察特殊機動部隊「SWAT」の実戦への参加。アメリカ海軍特殊部隊「SEAL TEAM 6」、オーストラリアの陸軍特殊部隊の元隊員の教官からも、銃の扱い方やテロリストの制圧の仕方、山やジャングルでの戦闘実戦を学んだ経験を持つ。帰国後、調布市内にセキュリティー会社「リスクコントロール」(調布市小島町2)を設立した。

 スカイダイビングを本格的に開始したのは渡米中で、1988(昭和63)年の初降下から2500回以上のフライング経験を積み、インストラクターなどさまざまな関連資格を取得。2006年にウイングスーツ・フライングに初挑戦以降、世界記録への挑戦を開始し、5年間でギネス世界記録を6度達成している。現在、保持している記録は、水平飛行距離26.9キロメートル(自己記録更新2回)、最高飛行速度時速363キロ、3D総合飛行距離28.707キロメートル、68人でのフォーメーション記録(団体)。

 今回認定された記録は、昨年2月末にアメリカ・カルフォルニアで挑戦した高度2万5000フィート(7600メートル)からパラシュートを開傘し、水平直線距離46.2キロメートルで着地した「パラシュートでの最高直線距離飛行記録」。ジェット旅客機の飛行高度と同じ上空は空気が薄いため、離陸前に純酸素を1時間程吸って血液中から窒素を抜き、飛行中も酸素装置を装着する。上空は気温マイナス40度の過酷な環境のため、凍傷にならないように防寒にも備える必要がある。当日は天候や気流に恵まれ、時速約130キロのジェット気流に乗ることができたという伊藤さんだが、パラシュートを開く際、10Gほどの衝撃に耐えての記録達成だった。

 使用したパラシュートは、航空機装備品などを扱うメーカー「藤倉航装」(品川区)の協力を得て、日本製のパラシュートを使用し、日本人が記録を出したことにも意味があるという。

 6枚目の認定書を手にした伊藤さんは「過酷な状況ではあるが、長年培ってきた経験と訓練があるので危険を感じたことはなく、『誰もやったことがないことで勝負したい』『頑張ればこれだけのことができるんだ』という気持ちで挑戦している。夢は、2020年東京オリンピック・パラリンピックのイベントで各国代表のウイングスーツ・パイロットたちとパフォーマンスをすること。今後もまだ誰も見たことがない景色を求めて、『鳥人』として活動していきたい」と話す。

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