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調布・拓殖大の監督が3月で勇退 初の箱根2年連続シード獲得、新体制に

3月末に退任する拓殖大学陸上競技部・岡田正裕監督、西調布のクラブハウスにて

3月末に退任する拓殖大学陸上競技部・岡田正裕監督、西調布のクラブハウスにて

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 西調布にクラブハウスを構え、武蔵野の森公園・味スタ西競技場など、調布市内で練習する拓殖大学陸上競技部の岡田正裕監督(73)が3月末で退任する。

1月27日「調布市民駅伝競走大会」にゲストランナーとして参加した拓大陸上部の選手、中央は新主将の赤﨑暁選手

 関東地区の平均視聴率30%超えの歴代1位と、今年も大きな注目を集めた箱根駅伝(ビデオリサーチ調査)。拓殖大は、アンカーの松岡選手(2年)が9位でゴール、同大初となる2年連続シード権を獲得した。通算16回目の箱根挑戦となった岡田監督は「今年は5位以内、シード権獲得を目標に挑んだが、思うようにいかないのが箱根のレース。途中展開にハラハラとし胃が痛くなる場面もあったが、選手たちが持ちこたえてくれた。40回出場の歴史で2年連続のシード権獲得は初めてのこと。よく頑張ってくれた」とレースを振り返る。

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 レース後の報告会で、岡田監督は3月での退任を電撃発表した。自身の思いは2020年を区切りに引退すると決め、1年前すでに大学関係者に相談していたという。選手にとっては突然の報告となったため、寮に戻ったデレセ前主将をはじめ多くの4年生が涙を流した。監督は「指導者冥利(みょうり)に尽きた。今年の成績が悪かったならば心残りだったかもしれないが、2年連続シードを取れたので、後進に任せ気持ちよく去れる」と笑顔で話す。

 9年前、初めて寮を訪れ、一人一人選手の顔を見ながらミーティングをした時のことが一番心に残っていると言う。「現コニカミノルタの谷川智浩選手らが4年になる当時は、拓大が3年ほど箱根から遠ざかっていた時期。一語一句逃さず真剣に聞き入る彼らのまなざしから、『どうしても箱根に出たい』という強い思いが伝わった。迷いが晴れ、『監督としてこの子たちを箱根に連れて行こう』と就任を決心した。まるで昨日ことのようだ」と話す。「赴任した1年目、拓大は予選会をトップ通過し、翌年には本戦7位という結果を残した。1年で花が咲いた彼らの頑張りがずっと今日につながっている」とも。

 後任には4月から、教え子でもある五十嵐利治コーチが監督に、山下拓郎コーチが男子駅伝監督に就任する。岡田監督は「市民の皆さんからも『残念だ』という声を掛けていただいた。年々応援が広がり感謝している。4年生が抜け戦力的には厳しいが、指導者も選手も初心に帰って、学生3大駅伝出場を目標にチャレンジしてほしい」と話す。

 新主将に指名した赤﨑暁選手(商学部3年)について、監督は「彼は熊本出身の同郷で、高校生の頃からよく知る芯の強い選手。プレッシャーをはねのけ、リーダーシップを発揮して頑張ってほしい」とエールを送る。

 赤崎選手は「今年の目標は、学生3大駅伝に出場して全大会で入賞すること。箱根駅伝は過去最高順位を目指す。普段、武蔵野の森公園で練習しているので、応援してくださる地域の皆さんに、良い報告ができるよう頑張りたい」と話す。

 長年、指導者として陸上界に多大な貢献をした岡田監督にとって、今年が最後の箱根となった。教え子らが連続シードの結果で飾った花道を、平成の終わりとともに勇退する。