調布市の多摩川地区協議会が、多摩川小学校すぐ近くの通称「恐竜公園」で3月27日、「こどもフードパントリー調布・多摩川小学校エリア」を開催し、コロナ禍で行事や地域イベントなどの中止が相次ぎ、楽しみな機会が少なくなっている子どもたちに、食料品を配布した。
フードパントリーで配布された京王多摩川駅近く「喫茶みよし」のたい焼きチケット
同企画は調布市子ども食堂ネットワークの呼び掛けで調布市社会福祉協議会と協力し開催。今年度、すでに数か所の小学校エリアで開催され、各地域の特徴を生かして実施されている。同協議会は、子どもたちに自分の地域に愛着を持ってもらおうと、近隣の飲食店に商品の提供を依頼。京王多摩川駅近くのパン店「フランダース」から菓子パンと総菜パン、「カフェ大好き」から自家製クッキー、漬物製造販売の「浜食」から漬物が提供されたほか、同駅前で約50年たい焼きを販売する「喫茶みよし」のたい焼きと交換できるチケットも配布された。調布市の姉妹都市・長野県木島平村の小学6年生が作った米30キロと同市内の小野牧場から60キロの米が提供され、それに合わせてカレーや中華丼などのレトルト食品なども用意した。
当日は、事前に申し込みをした多摩川小学校地域の約130人の子どもを対象に実施。密を避けるために、時間帯を2グループに分けて来場を呼び掛けた。食糧の入った1キログラムほどのトートバックを受け取った子どもたちは「重い」などと言いながらも、嬉しそうに笑顔で担ぎ、持ち帰った。米を提供した木島平村の小学生には、来場した子どもたちから、お礼のメッセージカードを送り、今後も交流を深める。同協議会からは手指消毒用のアルコールジェルを来場者に配布し、感染症対策の継続も呼び掛けた。
多摩川地区協議会会長の熊谷里佳さんは「子どもたちに『おなかいっぱい』の思い出で、今の状況を少しでも豊かな気持ちで過ごしてもらおうと、メンバーでたくさん話し合い、楽しさと嬉しさのある品揃えになったと思う。久しぶりに子どもたちの笑顔に触れ、我々も元気をもらった。協力してくださったお店の方には、今後も子どもたちを見守っていただくことで互いに交流し、それぞれに、地域への愛着を深めていけたらうれしい」と話す。