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調布の老舗和菓子店「松月堂」が70年の歴史に幕 3店舗閉店へ

「松月堂」(右)と「茶房菜々や」(左)外観

「松月堂」(右)と「茶房菜々や」(左)外観

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 調布銀座の老舗和菓子店「松月堂」(調布市小島町1、TEL 042-485-2266)が5月31日で70年の歴史に幕を閉じる。隣接する喫茶店「茶房菜々や」も同日、「松月堂 調布PARCO店」は5月14日に閉店する。

「たづくり最中」など松月堂の銘菓

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 戦後にパンや菓子を扱う店として1952(昭和27)に開業した同店。洋菓子店が近隣にまだなかった時代、ケーキも扱う「街の菓子屋」として人気を集め、クリスマスシーズンは特に繁盛した。その後、調布駅前の発展とともに洋菓子店が近隣に増えたことから、和菓子に絞り営業を続け、調布を代表する和菓子店として多くの人に愛された。本店創業後間もなく調布駅前に支店、1996(平成8)年には本店隣に喫茶店「菜々や」をオープン。1989(平成元)年の調布パルコ開店時に駅前支店を「松月堂 菜々や」としてパルコの地上階でリニューアルオープンした。2015年(平成27)に地下フロアへの移転を機に名称を「松月堂 調布PARCO店」とし現在に至る。

 創業当初から販売している「たづくり最中」(130円)は、かつて布の産地だった「調布」を「たづくり」と読み、布を臼でついて多摩川でさらしていた歴史があることから、臼の形にかたどった和菓子を「調布土産」として商品化し、同店の代表商品となった。調布PARCO店オープン時に商品化した「とれたてもなか」(110円)は、野菜の形をした一口サイズのもなかで、全国から注文の入る人気商品となったほか、季節の和菓子や卒園・卒業時の「紅白まんじゅう」など、昔からの職人が現在もひとつひとつ丁寧に作っている(価格は全て税抜き)。

 時代や街の移り変わりに加え、職人の高齢化、コロナ禍による影響など、店の今後を考え、閉店を決めた。常連客からは「この味がなくなるのはさみしい」「贈答品やちょっとしたお礼にも喜ばれる和菓子なので、残念」「子どもの頃から食べていた味を残してほしい」など惜しむ声が日に日に多くなっているという。

 3代目の市川隆輔さんは「『ひな祭り』や『こどもの日』、『お月見』や『お彼岸な』ど、和菓子で季節を感じていただき、多くのお客さまに喜んでいただけたことは本当に有り難いこと。閉店することは心苦しいが、先代と先々代に替わり、長い間ご愛顧いただいたことの感謝の気持ちを皆さまに伝えたい」と話す。

 営業時間は、本店・菜々や=9時~17時、調布PARCO店=10時~21時。定休日は、本店・菜々や=日曜、調布PARCO店=調布PARCOに準ずる。

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