調布市の中高一貫私立女子校「晃華学園中学校高等学校」(調布市佐須町5)の中学2年生が6月12日、総合学習の一環で調布地域の取り組みを学ぶため、国連で採択された世界共通目標「持続可能な開発目標(SDGs)」の観点から市内の17団体にインタビューを行った。
晃華学園中学生が対面インタビューをする様子 空き家対策を進める調布市都市整備部の担当係長に、ソーシャルディスタンスを取って
1963(昭和38)年開校の同校は、カトリック精神に基づき「多文化共生の世界に開かれた品格のある女性」を育てることを目標に、国際理解を大きな柱とした教育を行っている。中高6年間を通し、国際社会で必要とされる能力を身につけるためのさまざまなカリキュラムを行う中、2015(平成27)年、国連で採択されたばかりのSDGsを模擬国連の全国大会で知った高校生からの提案で、SDGsを実践し広める活動を始めた。
文化祭では子ども服を回収しユニクロと協力して難民へ届け、国際NGO団体の協力の下、汚水を浄化する「ハンディーポッド」を製作し普及活動に取り組む。2019年には、日本とは環境が大きく異なる発展途上国アフリカ・マラウイに住む同年代の子どもたちとの交流を通じて国際理解を深め共同宣言を作成。2020年には、それまでの活動をまとめた冊子「2020 SDGs×KOKA」を生徒自ら編集し発行した。
例年、総合学習の一環で実施している中学2年生の調べ学習「地域を学ぶ」カリキュラムで、本年度はこれまで理解を深めてきたSDGsの観点から調布地域の取り組みについての学習を行うことに決定。SDGs3番目の目標「全ての人に健康と福祉を」のテーマでは発達障がいのある人向けのスポーツ教室を開講しているFC東京、11番目の目標「住み続けられるまちづくりを」のテーマでは空き家対策を進める調布市、13番目の目標「気候変動に具体的な対策を」のテーマではオフィスに再生可能エネルギーを導入するアフラックなど、全17テーマそれぞれに関係する団体に協力を得てインタビューを行った。
当日は、生徒それぞれが希望するテーマのグループに分かれ、対面、オンライン、電話などでインタビューを実施。各団体の活動内容のレクチャーを受けた後、事前に調べた内容を元に数多くの質疑応答を行った。これらの成果は文化祭などで発表する予定。
同校の佐藤駿介教諭は「SDGsというテーマは今すぐ生徒たちが理解するのは難しいかも知れないが、成長するに従って理解を深め、視野を広げる一助になれば。各グループの成果を発表することで生徒間の化学反応も楽しみ」と期待を込める。