ロボットを組み立てプログラミングする「VEX(ヴェックス)ロボティクス」を使った特別授業が11月9日と10日、青少年STEM教育振興会(神奈川県川崎市)協力の下、調布市立北ノ台小学校(調布市深大寺北町2、TEL 042-485-1291)で行われた。
調布・北ノ台小のプログラミング特別授業の様子 ガイドを見ながらロボットを組み立て
2020年度に始まった新学習指導要領により必修となっている小学校でのプログラミング教育。調布市内では同校がプログラミング教育推進校として実践研究を重ねている。VEXロボティクスは、ロボットを組み立て制御のプログラミングを試行錯誤するプロセスを通じて自ら問題を解決する力の習得を目的に、アメリカで開発されたSTEM教育教材。世界60カ国以上で使われ、海外ではクラブ活動として取り組む子どもも多く、世界大会も開催されている。同大会の日本代表として、2019年から3年連続で同校卒業生と在校生が参加し、現在も調布市文化会館たづくりで活動を続けている。
青少年STEM教育振興会は、「子どもたちが主体的に学習できる環境づくりに貢献し、STEM教育の普及」を目標に昨年設立され、小学生~高校生を対象に体験教室を企画。これまでに10校程度で実施し、今回、日本代表メンバーの親で、同団体理事でもある松澤聡比古さんが中心となって同市へ働きかけ、特別授業の実施が決定。夏休みに教員向けの教室を開き、4年生を対象とした特別授業に至った。
授業では「150センチ程度ある道を途中寄り道しながらロボットを往復させること」がミッション。ガイドを見ながらパーツを組み立ててロボットを完成させ、進む方向・距離・スピード・回転の角度など各グループ独自に制御をプログラミングして、実際の動きを確認しながらトライアンドエラーを繰り返しミッションの解決を目指した。各クラス2時間を使い、子どもたちは休憩時間なく集中して自ら解決するプロセスを体験した。
同校の箱﨑高之校長は「自分たちでプログラミングしたものを実際に動かすという体験はとても効果的。最近の子どもたちは失敗することを嫌う傾向にあるが、失敗を繰り返しながら課題を解決する体験を多くの子どもたちに広げていけたら」と期待を込める。