歳末の風物詩、シクラメンの直売が11月20日、調布市内で唯一生産する小林園芸(調布市西つつじヶ丘1、TEL 042-485-3975)で始まった。
創業50年を迎える小林園芸は60種類以上の花壇苗・鉢花・野菜苗などを生産し、シクラメンの生産・販売は市内唯一。毎年市場に出回る新品種を数種類取り入れて育てやすさや売れ行きを見ながら取り扱う品種を入れ替え、毎年25品種程度を生産する。シクラメンは夏の暑さに弱く、水やりや扇風機が欠かせないほか、病気の発生にも細心の注意を払う必要があり、「1~2割程度はうまく生育しない」と3代目店主の小林芳一さん。
花芽がついてからは成長しやすいよう葉を広げる器具を付け、生育の悪い芽や花がらを取り除いて形を整えるなど、一鉢ずつ丹念に栽培。常連客からは「花付きがよく丈夫だ」と言われるという。今年は秋に暖かい日が多かったが「生育状況は良好」で、4.5号鉢(600円)、5号鉢(1,200円)、6号鉢(3,500円)、7号鉢(5,000円)合わせて約3000鉢に加え、寄せ植え用のガーデンミニシクラメン(300円)約3000ポットがハウス一面に並ぶ。
ここ数年の人気品種は5年ほど前から栽培を始めた「オーロラ」で、耐暑性・耐寒性があって育てやすく、花にボリュームがあって存在感があり、「家庭用だけでなく贈答用にも買い求める客が多い」と言う。そのほか、フリルの花びらを持つ「ビクトリア」なども人気があり、半八重咲きの「フェアリーピコ」は今年初めて栽培を始めた。
小林さんは「今年も自信を持ってお届けできるシクラメンができ上がった。人気の色や状態の良いものから売れてしまうので、早めに足を運んでいただければ」と話す。
営業時間は9時~16時。