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調布の空に舞うフライングディスク「アルティメット」 コロナ禍で注目浴びる

サイドアームスロー(フォアハンドスロー)を投げる大場乃々夏さん

サイドアームスロー(フォアハンドスロー)を投げる大場乃々夏さん

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 調布・京王多摩川駅近くの多摩川河川敷で、市内の小学生と保護者が一緒に練習する風景が見られるフライングディスクを使ったアメリカ発祥のスポーツ「アルティメット」が、身体接触のないスポーツとして、このコロナ禍で注目を浴びている。

アルティメットチーム「Migrant(マイグラント)」のメンバー

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 アルティメットは、1968(昭和43)年にアメリカで生まれたフライングディスクを使う7人制のチームスポーツ。「100メートル×37メートル」のフィールドでディスクを落とさずにパスをしてつなぎ、コート端のエンドゾーン内でキャッチすれば得点となる。日本フライングディスク協会によると、国内の競技人口は約5200人(2019年)。2012(平成24)年に中学校学習指導要領にゴール型の球技として採用され、体育の授業でも行われつつある。

 多摩川での練習を主催するのは、スポーツのスクールやイベントを企画・運営する「Ultimate Planning(アルティメットプランニング)」(調布市下石原2、TEL 042-445-2588)。調布在住で同社社長の塚田泰弘さんは大学時代からアルティメットプレーヤーとして活躍し、世界大会にも出場。日本代表監督も務め、選手としても監督としても世界2位になった経験がある。

 滞空時間や放物線軌道などディスクの特性を生かしたパスやロングスロー、浮いているディスクをつかむダイビングキャッチが競技の魅力だという。加えて、アルティメットは身体接触が禁止されている。審判がいないセルフジャッジ制で、競技者はフェアプレーの精神に基づいて、プレーヤーと審判の役割を同時に果たす。身体接触のない、老若男女が同時に楽しめるスポーツとして注目されている。

 多摩川に集まるアルティメットチーム「Migrant(マイグラント)」には、1年~6年の小学生30人とその保護者が所属。同市立調和小学校の児童を中心に、市内他校や市外からも小学生が参加している。

 チームを引っ張る中心選手の塚田琉斗さん(6年)は「サッカーやバスケ、水泳などスポーツは得意だが、中でもアルティメットが一番面白い。風があるとスローは難しいが、パスやキャッチで得点できたときはうれしい。日本代表として世界大会に行くのが目標」と話す。

 水泳やテニスなどを習ってきたという大場乃々夏さん(同)は「アルティメットは頭を使い作戦を考える。味方にパスを通せたときはうれしい」。萩原なのはさん(同)は「元々は絵を描くのが好きなインドア派でスポーツはしてこなかった。スローのコントロールが難しいが、頑張れば頑張るほど上手になれて楽しい」と話す。

 家族で練習に参加する須藤一平さん(同)はハンドボールとの二刀流だが、「走る、投げる、飛ぶといったプレーの中で、ボールとは違うディスクの距離や軌道が面白い」と言う。一緒にアルティメットを始めた両親は「子どもと一緒に楽しめて、親もはまっている。若い頃にこのスポーツに出合っていたら絶対にやっていた」とも。

 指導する塚田さんは「アルティメットはディスクが1枚あれば、男女を問わず年齢がバラバラでも一緒にプレーできる、これからの時代にふさわしいスポーツ。2028年のロサンゼルス夏季五輪の競技候補でもあるため、アルティメットの楽しさを伝えながら未来のオリンピック選手を育てたい」と話す。

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