見る・遊ぶ

府中で古墳のライトアップ「古代光景」 国内最大最古の石の墳丘

闇夜に浮かび現れる荘厳な古代ロマンの景色 提供:府中市教育委員会

闇夜に浮かび現れる荘厳な古代ロマンの景色 提供:府中市教育委員会

  • 66

  •  

 国史跡武蔵府中熊野神社古墳(府中市西府町2)で12月17日、「第13回国史跡武蔵府中熊野神社古墳まつり~古墳ライトアップ『古代光景』(こだいひかりえ)~」が始まる。

月光の下、ライトアップによりさまざまな表情を見せる武蔵府中熊野神社古墳 提供:府中市教育委員会

[広告]

 同古墳は四角い墳丘(ふんきゅう)の上に丸い墳丘が重なった「上円下方墳(じょうえんかほうふん)」で、全国でも6例ほどしかない貴重な古墳。1段目が約32メートルの方形、2段目が約24メートルの方形、3段目が直径約16メートルの円形から成る3段築成で、高さは復元高で約6メートル。調査により確認された中で、墳丘に石がふかれたものとしては国内最大最古。7世紀中頃(飛鳥時代)に造られ、被葬者は不明だが武蔵国府設置直前に大きな力を持っていた人物の墓と考えられている。2005(平成17)年に国の史跡に指定され、当時の姿に近い形で復元された。隣接する展示館では、墳丘土層標本や調査写真・解説パネルなどを展示している。

 ライトアップは「古墳まつり」として行われ、「古代光景」と題し静かな熊野神社の本殿裏に位置する古墳を照らす(16時30分~21時)。

 初日は、古墳公園ステージで点灯式(16時30分~17時)を行う。参加者とカウントダウンで点灯し、雅楽と舞を披露。さらに、移動天文観測車「ペガサス2」による星空観察(17時~18時、先着40人)、古墳展示館の夜間特別開館を行う(16時30分~21時)。

 同市ふるさと文化財課で郷土資料を担当する石田一博さんは「幾千もの石が一つ一つ精緻に積み上げられた円く美しいシルエットが、照明によって浮かび上がる。色とりどりの光景と荘厳な表情に、府中のまちの礎である武蔵国府の成立『前夜』ともいえる古墳のあった時代に思いをはせていただければ」と話す。「月夜に眺めたであろう古代の人々にシンクロして、約1350年の壮大な時の流れの中にいま私たちがいる感謝や祈りを感じる。そんな温かなひとときを、年の瀬に過ごしていただけたら」とも。

 観覧無料。駐車場なし、駐輪場・シェアサイクル「のりすけ」ステーションあり。ライトアップとイベントは荒天中止。今月25日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース