さまざまなハナショウブを展示してパネル解説する特別企画展「薫風に香る江戸の華~はなしょうぶ」が現在、都立神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)で開催されている。
同園深大寺門から徒歩5分にある分園「水生植物園」(深大寺元町2)では約50品種1500株のハナショウブが栽培され、紫色や白色の花が見頃を迎えている。ハナショウブ(アヤメ科アヤメ属)は日本に自生していたノハナショウブを園芸化した植物で、端午の節句などで風呂に入れるショウブ(ショウブ科のショウブ属)とは別物。
江戸時代中期、旗本の松平定朝(さだとも)がハナショウブの育種を飛躍的に進め多くの品種を作出した。生涯にわたり改良に取り組んだ定朝は晩年、自らを「菖翁(しょうおう)」と号した。同園では「菖翁」こと松平定朝の生誕250年を記念して、本園の植物会館展示室で特別企画展を開催中(25日まで)。江戸の文化を華やかに彩ったハナショウブの園芸化の歴史や現代に受け継がれる数々の品種を、最新の知見に基づいて紹介する。
屋外展示場でも「江戸系」「伊勢系」「肥後系」などの多彩なハナショウブを鑑賞できるよう「はなしょうぶ展」を開いている(11日まで)。広報担当の土方千鶴さんは「日本が誇る園芸植物の一つであるハナショウブの秘めた魅力を、この機会に見直していただければ」と話す。
同園では「あじさい園」の130種類500株が順次、見頃を迎え、現在「アジサイウイーク」も行っている(7月2日まで)。ヤマアジサイを中心に園芸品種の鉢植えを屋外展示場で紹介する「あじさい展」も開催中(今月18日まで)。
開園時間は9時30分~17時(入園は16時まで・水生植物園は16時30分閉園)。月曜休園(祝日の場合は翌日)。入園料は、一般=500円、65歳以上=250円、中学生=200円(都内在住・在学の場合は無料)、小学生以下無料。水生植物園は入園無料。