府中市郷土の森博物館(府中市南町6、TEL 042-368-7921)で9月9日、初開催となる「郷土の森 曼珠沙華(まんじゅしゃげ)まつり」が始まる。
マンジュシャゲはサンスクリット語で「赤い花」という言葉「manjusaka」の音写で、法華経(ほけきょう)で「天上の花」の意味。日本では秋の彼岸のころに茎を伸ばし先端に目立つ花を咲かせるので「ヒガンバナ」とも呼ばれる。
同施設のある多摩川周辺はかつて水田が広がり土手や用水路にマンジュシャゲがたくさん咲いたことから、スタッフが昔懐かしい風景を再現しようと近くの農家から球根を譲り受け植えた。数年前は約1万株だったがスタッフが地道に球根を植えて増やし、現在は東京ドーム3個分(13.7ヘクタール)の敷地に約35万株のマンジュシャゲが咲くようになった。広報の柏さんは「満を持して『曼珠沙華まつり』を開催する。さまざまなイベントを用意したので、多くの人に楽しんでほしい」と話す。
マンジュシャゲのスタンプを押してオリジナルの絵はがきやトートバッグを作る「曼珠沙華工房」を9月17日に開く(当日申し込み)。23日は繭でマンジュシャゲの造花を作るワークショップを行う(9月15日から電話で先着順に受け付け)。いずれも会場は「ふるさと体験館」で、参加費が300円~1,000円。
広い園内各所で、武蔵国府太鼓演奏会(9月24日)や猿回し、あめ細工やべっこうあめなどの職人芸(不定期の土曜・日曜・祝日)を披露する予定。
期間中に同園で撮影したマンジュシャゲのフォトコンテストを行う。応募作品はホームページで紹介し、入賞作品は園内の旧府中尋常高等小学校校舎で展示する。マンジュシャゲを題材にした俳句も募集する。園内投句箱に寄せられた中から、俳人協会の榎本達さんが選評し優秀作品を発表する。
マンジュシャゲの花は赤色が多いが、同園では白色の花も咲く。例年の見頃は9月中旬~下旬で、同時期に秋の七草の一つであるハギも開花する。ハギの見どころは、約120株をアーチ状に仕立てた「萩のトンネル」。柏さんは「一面に広がる真っ赤なマンジュシャゲや珍しい白いマンジュシャゲ、そして薄紫色のかれんなハギなど、秋ならではの風景をご覧いただければ」と話す。
開園時間は9時~17時(入園は16時まで)。会期中は無休。入園料は、一般=300円、中学生以下=150円、4歳未満と市内在住小中学生・市内小中学校通学者は「学びのパスポート」利用で無料。10月1日まで。