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調布のホスピタルに東急8500系車両 CFで購入実現、一般公開へ

東急8530号車を東京さつきホスピタルに設置するところ

東急8530号車を東京さつきホスピタルに設置するところ

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 東京さつきホスピタル(調布市東つつじケ丘2)が10月9日、クラウドファンディングによる協力で購入した東急8500系車両を一般公開する。

東京さつきホスピタルに設置された東急8530号車

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 同ホスピタルは精神科病院「山田病院」と精神障がい者授産施設「創造印刷」が、2020年に共同で移転・開院した医療福祉施設。医療部門を「東京さつきホスピタル」、就労継続支援事業を「創造農園」が行い、地域生活支援センター「希望ヶ丘」とケアホーム「粋交舎(すいこうしゃ)」を併設している。

 8500系車両は、1975(昭和50)年に東急電鉄(当時)が導入した通勤形車両。軽量ステンレス車体と赤帯が特徴で「ハチゴー」の名で親しまれた。新型車両導入に伴い廃車が進み、2023年1月に定期運行を終了。東急はかねて引退車両を一般向けに特別販売することを発表していた。

 日頃から地域に開かれた医療と福祉を続ける同ホスピタルは「電車を設置すればもっと気軽に立ち寄れる場所になり、精神科病院を誰もが気楽に利用できるのでは」と考え「ハチゴープロジェクト」を開始。車両の購入と搬送、設置場所の地盤改良と整備などに必要な資金を確保するためにクラウドファンディングで協力を呼びかけ、12月に目標を達成した。

 購入した8530号車はローレル賞プレートを掲出した最後の車両で、4月下旬に長津田工場を旅立ち静態保存に向け整備。車両と敷地の全てが整った9月6日に搬入作業が行われ、同ホスピタルへの設置が完了した。

 一般公開は「東急(とうきゅう)の日」である10月9日に決まった。10時から記念式典を行い、11時から一般公開する。併せて、毎年恒例の「創造農園祭り」も開催。10日以降の車両見学は、同ホスピタル営業日の10時~15時を予定。予約は不要だが、混雑を避けるため人数制限する場合がある。見学無料。

 創造農園施設長の諏訪智さんは「ハチゴーを多くの人に末長く楽しんでいただけるように、『創造農園』で働く仲間と力を合わせて車両をきれいに保ち、安全な車両見学を見守っていきたい」と話す。副理事長の石坂真一郎さんは「一つの電車にさまざまな人が乗り合わせているように、心と体のケアが必要なお子さんや思春期の児童生徒、ストレスや悩みを抱える大人、認知症を患う方や家族など、誰でも気軽に精神科病院を利用してほしい」と話す。

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