オリジナルフレーム切手「つげ義春 調布・多摩川」が10月2日、調布市内各郵便局などで限定発売された。
切手を企画した調布市出身の菅野研也さんは1986(昭和61)年に郵便局に入局し、現在、調布染地郵便局長を務める。長年、つげ作品のファンであり、初めて作品に触れたのは高校時代。当時、深く感銘を受けた菅野さんは叙情的な世界観に魅了され続け、2010(平成22)年、偶然にもつげさんが昔住んでいた多摩川住宅内にある同局へ異動となった。
日本郵便が企画するオリジナルフレーム切手は地域と関わりあるものが題材とされ、50年以上同市内に居住しているつげさんは、「調布」を舞台に描かれた作品も多く、多摩川の風景も度々登場する。菅野さんは「調布にゆかりあるつげさんの切手をいつか形にしたい」と長年企画を温めていたところ、今年1月に開催された「マンガ家・つげ義春と調布」展が大きなきっかけとなり、発売が実現した。
販売される切手は、1980年代の「調布・多摩川」が描かれた作品を中心に構成し、切手の上部には、当時執筆中のつげさんの写真を印刷。老眼鏡をかけた姿の写真は非常に珍しいという。使用する漫画のコマは、つげさんと深く関わりのある、元青林堂・青林工藝舎の漫画編集者・浅川満寛さんから画像データを提供してもらうなどの協力を得て作成した。
菅野さんは「つげ作品ファンの方はもちろん、この機会に少しでも多くの方につげ作品の魅力に触れていただけたら」と話す。
価格は63円、切手10枚を収めた1シート1,850円(作品の解説とポストカード付き)。同市内の郵便局で限定350シート、郵便局のネットショップで限定50シートを販売するほか、真光書店(調布市布田1)でも限定200シートを販売する。