武蔵野の風情を残す雑木林など多くの植物が見られる都立神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)で紅葉が始まり、来園者の目を楽しませている。
開園60余年の同園は30のエリアで約4800種類10万本以上の植物を見ることができ、ケヤキ・メタセコイア・モミジバフウなど大きく成長した樹木もある。11月に入り暖かい日が続いたが、メタセコイアは色付き始め、紅葉したラクウショウも見られる。本格的な紅葉は11月中旬に各エリアで始まり、12月中旬まで長期にわたって楽しめる。
現在、紅葉が進んでいるメタセコイアとラクウショウは「えびね・あじさい園」近く「流れ」のほとりにあり、紅葉が盛んな時期には「水面に映る姿が幻想的」と毎年評判になる。その奥のカツラ林では、落ち葉の発するカラメルのような甘い香りが漂っている。「つつじ園」のケヤキは、木によって赤色やだいだい色などさまざまな姿を見せ、やがて色付く鮮やかなイロハモミジと共に楽しめる。
11月下旬には「さるすべり・ざくろ園」にあるシマサルスベリの大木がだいだい色に染まり、落葉するとじゅうたんのように一面に広がる。近くにある「つばき・さざんか園」のサザンカの花も一緒に鑑賞できる。
12月中旬になると、「築山」の頂上付近や「雑木林」のイロハモミジが見頃を迎える。「築山」では林床のクマザサとのコントラストが美しく、「雑木林」は「ばら園」テラスから眺めるのも人気。
同園スタッフのお勧めは「かえで園」だという。「12月初旬から多彩な色の重なりを見せ、季節が進むにつれて色合いが変化する。落葉期には『真っ赤なじゅうたん』が出現し、特に雨の日は美しい光景が広がる」という。11月15日以降、赤い野だて傘と毛せんを敷いた縁台を置いた「フォトスポット」を設ける(雨天中止)。
広報担当の土方千鶴さんは「紅葉の進み具合は公式X(旧ツイッター)で知らせるので、参考にしながら何度も足を運んでいただければ」と話す。
開園時間は9時30分~17時(入園は16時まで)。月曜休園(祝日の場合は翌日)。入園料は、一般=500円、65歳以上=250円、中学生=200円(都内在住在学の中学生は無料)、小学生以下無料。