調布市が定める「調布市防災教育の日」に合わせ4月27日、同市立小・中学校や大町スポーツ施設で学校と保護者、地域の方が一体となった防災訓練が一斉に行われた。
調布市は、2011(平成23)年に発生した東日本大震災を教訓として、「命の尊さ」について学ぶことや「自らの命は自らが守る」という意識を高め、児童・生徒自身が自助、共助の力を育むことを目的に、2012(平成24)年度から毎年4月の第4土曜日を「調布市防災教育の日」と制定。昨年度までは、新型コロナウイルス感染防止の観点から保護者や地域の方向けの授業公開を中止してきたが、本年度は5年ぶりに公開され、11時を発災想定時刻として避難訓練や保護者の引き取り訓練を実施した。地域の方と市職員の協働による避難所開設訓練などの防災訓練を、同市立小・中学校全28校および大町スポーツ施設で一斉に実施した。
学校教育活動では、調布消防署、調布警察署などの関係機関・企業と連携し、東京消防庁が制作した、360度VR映像でリアルにシミュレーションした首都直下地震を体験できる防災教育VR「B-VR(ビーバー)」を活用した授業を一部の学校で実施。「命」の授業では、防災に関する理解を深め、命の尊さ・大切さについて学ぶことで、各学年に合わせた災害時における判断力や基本的な行動様式を身に付けるための授業を行った。
各学校の体育館では、小学6年生、中学3年生の子どもと、その保護者を対象とした避難訓練体験を初めて実施。避難者受付、避難スペースやトイレ体験のほか、食糧品や備蓄品などの展示ブースの体験を通じて、各家庭における防災意識の向上につなげた。
飛田給小学校では、鹿島建設技術研究所による水害シミュレーション結果を活用した防災ワークショップを開催。調布市や多摩川の地形的特徴、多摩川で過去に起きた水害被害などを学び、タブレットを使って水害リスクについてのクイズを行ったり、ハザードマップの使い方などを教わったりして理解を深めた。
ワークショップに参加した小学6年生の児童たちは「学校の周りで洪水が起きた時のシミュレーションができて、ためになった」「クイズ形式で楽しかった」「役に立つ情報が分かって面白かった」と話す。