調布市が7月10日、「家族の絆でサギから守る『調布あんしんコール』」の実証実験の参加受け付けを始める。
調布市では年間数十件の特殊詐欺が発生し、昨年の被害額は1億9,000万円を超える深刻な状況が続いている。このことから、特殊詐欺対策として「自衛」「地域防衛」「家庭防衛」「子ども・若者防衛」「連携防衛」の「5つの防衛策」を掲げ、犯罪のないまちづくりに取り組んでいる。
「調布あんしんコール」は、AIを使って「家族防衛」をデジタル技術で支援する取り組みで、通話録音機能付きの機器を自宅の固定電話に設置。通話内容をAIが解析し、特殊詐欺の疑いがあると判断した場合、終話後に本人へ電話をかけ、事前に録音した家族の肉声で注意喚起を行う。さらに、自動的に家族へも通知し、本人が家族の注意喚起に応えた音声を電話で伝えるほか、本人の応答を文字に変換しSMSでも通知する。
実証実験の参加条件は、市内在住の主に高齢者または効果検証に協力できる人とその家族の2人1組で参加可能であること、申込者と家族登録者の双方が参加に同意していること、実証中に行う訓練やアンケート調査に協力できること、NTT東日本の回線を利用していること。電話回線の契約者が実証実験申込者本人であることなど。
同実証事業の内容を紹介する動画に出演した同市行政経営部企画経営課の片山さんは「実際の音声を娘の立場で聞いて、家族が日常生活の中で特殊詐欺の被害に遭わないかと心配に思う気持ちを体感した。遠く離れて暮らしていたり、普段なかなか連絡を取れないでいたりする人が、高齢の家族を詐欺から守りたいという思いをこの取り組みで支援できたら」と話す。
参加説明会は7月11日・26日、文化会館たづくり(調布市小島町2)で開催。参加受付は8月5日まで。参加受付窓口は要事前申し込み。先着100組まで。参加無料。