府中市郷土の森博物館(府中市南町6、TEL 042-368-7921)で9月14日、「市制施行70周年記念 郷土の森 曼珠沙華(まんじゅしゃげ)まつり」が始まる。
マンジュシャゲはサンスクリット語で「天上に咲く赤い花」を意味し、日本では秋の彼岸頃に咲くので「ヒガンバナ」の名前で知られる。有史以前に中国から渡来し野生化した帰化植物。かつては多摩地域でも、多くの田んぼのあぜ道や土手で秋になると長い茎を伸ばして目立つ花を咲かせる風景が見られた。
市内の川やハケ(段丘崖)、田んぼなどを再現している同施設では、昔懐かしい風景を再現しようと10年ほど前からマンジュシャゲの球根を近くの農家より譲り受けて植え始めた。徐々に数が増え見応えのある風景になった昨年、初めて同イベントを開催。広報の柏さんは「昨年は来場者が『秋らしくてきれい』と写真を撮ったり、『白色のマンジュシャゲもあるんだ』と眺めたりしていた。今年はさらに5万株増やして40万株を育てているので、多くの人に見ていただきたい」と話す。
ふるさと体験館では15日に「曼珠沙華工房」を開き、トートバッグにオリジナルデザインを施す(参加費500円、当日申し込み)。22日は繭でマンジュシャゲの造花を作るワークショップも行う(参加費1,500円、13日から電話で事前予約受け付け)。
旧郵便取扱所前で22日、演奏グループが迫力ある武蔵国府太鼓を奏でる(11時・13時・14時、雨天中止)。広い園内各所で、あめ細工やべっこうあめの職人が芸を披露したり、大道芸人が猿回しの実演を行ったりする(不定期)。
期間中、「博物館スタッフが選ぶ 曼珠沙華フォトコンテスト」も開催する。併せて、「曼珠沙華まつり俳句」も募集する。
例年の見頃は9月中旬~下旬。柏さんは「マンジュシャゲや園内植物の咲き具合は、公式SNSとホームページ内の『季節の花ごよみ』で随時紹介しているので参考にしてほしい。間もなくハギなど秋の花も見頃を迎えるので、日本の原風景を感じる景色を楽しんでいただけたら」とも。
開園時間は9時~17時(最終入園は16時)。会期中は無休。入園料は、一般=300円、中学生以下=150円、4歳未満と「学びのパスポート」利用者は無料。10月6日まで。