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調布に「蕎麦とカフェ ひととき」 定年後に夫婦で夢実現、地域貢献目指す

「もりそば」に日替わりの「ランチセット」をプラスした「ひとときセット」(1,200円) そば皿などの食器類は、福祉事業所で作られたものを使用している

「もりそば」に日替わりの「ランチセット」をプラスした「ひとときセット」(1,200円) そば皿などの食器類は、福祉事業所で作られたものを使用している

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 手打ちそばとカフェメニューを提供する「蕎麦(そば)とカフェ ひととき」(調布市調布ヶ丘1、TEL 042-428-5458)が10月6日、調布駅北側の上布田公園近くにオープンした。

「蕎麦とカフェ ひととき」のひとパパとひとママ夫妻 看板の「ひととき」の文字は筆で書いたひとちゃんによるもの

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 定年退職を迎えたそば好きの「ひとパパ」さんと、調布で生まれ育った妻の「ひとママ」さん夫婦が切り盛りし、週末はダウン症を持つ長女のひと(通称)さんが手伝う家族経営の同店。長年営業職に携わっていたひとパパさんは、定年後「好きなそば屋をやってみたい」と、深大寺「そばの学校」に約1年通い、深大寺そばの歴史からそば打ち技術を学んだ。一方、コンサルタントとして活躍してきたひとママさんは、ひとさんの子育てをする中、福祉事業所の見学を通じ、就労施設で働く障がい者の低い工賃を目の当たりにしたことから、ひとさんの将来を考え始めるきっかけとなった。定年後は「将来的に娘が働ける環境を作りたい」と、「そば屋」と「カフェ」の2本柱で展開する同店を自宅1階部分にオープンした。

 同店のそばは、福島産のそば粉を使った二八そばで、昆布とカツオがメインのだしを使用。体に負担がないよう高さを合わせた特注のそば打ち場で毎朝製麺し、「打ちたて」「ゆでたて」を提供。食事に使う食器類や食材などは、障がい者の工賃が向上する一助になればと、福祉事業所の製品を積極的に採用。カフェメニューは、事業所で作ったパウンドケーキやクッキーなどを用意し、「ゆくゆくは障がい者の就労体験の場になり、支援につながれば」と話す。

 店舗面積は約12坪で、カウンター3席とテーブル10席を用意。広々とした店内はバリアフリー対応で、入り口にはベビーカーや車いすの出入りがしやすいスロープを設置。子育て中の親が「少しでも息抜きしてほしい」と、店内一角の壁に子どもがチョークで描ける「お絵かきスペース」を設け、子どもを見ながら食事ができる「お一人さまカウンター」を用意した。住宅地という土地柄、一人暮らしの高齢者を見守る取り組みとして、店に顔を見せに来るだけで1スタンプ、たまると特典があるサービスなども行う。

 そばメニューは、「もり」「かけ」(以上800円)、「たぬき」(900円)、「なめこ」(1,000円)、「天もり」(1,500円)、「おこさまセット」(500円)などのほか、日替わりのかやくご飯と総菜3点盛り、ひとくち天ぷらの「ランチセット」(400円)を用意(そば単品の注文のみ)。当面はランチのそばのみ提供で、大みそかから夜の営業、来年4月27日からカフェの営業を始める。

 ひとママさんは「店名に込めた『人』と『人』がつながって『時』を創る、たまたま居合わせたお客さま同士のコミュニケーションが生まれたり、ほっとする『ひととき』を過ごしてもらったりすれば。地域に貢献し、みんなが幸せになってもらえたらうれしい」と話す。

 営業時間は11時~14時(なくなり次第終了)。火曜・水曜定休。

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