今年開館40周年を迎えた武者小路実篤記念館(調布市若葉町1)が10月25日、スタンプラリーをリニューアルした。
武者小路実篤は、「水のあるところに住みたい」という子どもの頃からの願いをかなえ、1955(昭和30)年、70歳の時に仙川に居を構え、90歳で亡くなるまでの20年間を過ごした。安子夫人と2人の静かな生活の中、自伝小説「一人の男」や、野菜や花の絵の多くがここで描かれた。邸宅は、実篤の死後、数々の遺品と共に、遺族より調布市に寄贈され、できる限り実篤が暮らした当時のまま保存している。記念館は1985(昭和60)年10月、邸宅の隣接地に開館。邸宅跡地は実篤公園として公開されている。
実篤記念館・公園では、以前から記念館入り口・旧実篤邸・公園入り口の3カ所にそれぞれ違う絵柄のスタンプを設置していた。今回のリニューアルでは、スタンプラリーの内容を一新。3カ所を巡ってスタンプを集めると、実篤公園と記念館を空から見た構図の丸い大きな絵が完成する。スタンプを押した台紙は、塗り絵としても楽しめる。デザインは、調布市在住のイラストレーターで、調布市制施行70周年記念ロゴを手がけた黒木ユタカさん。
同館の伊藤陽子さんは「絵が出来上がっていく過程はわくわくして、とても楽しい絵か完成する。実篤公園はこれからムラサキシキブの実やツタの葉の紅葉がきれいな季節になるので、園内を散策しながら、ぜひスタンプラリーを楽しんでほしい」と話す。
同館では12月7日まで、秋の特別展「細川護立(もりたつ)と武者小路実篤」を開催中。永青文庫が所蔵する実篤の屏風「野菜之図」やセザンヌの水彩画「登り坂」が見られる貴重な機会となる。リレー展示「実篤記念館の40年」のコーナーでは、「資料収集の歩み」と題し、いつ,、どんな資料を収蔵したかを年表で紹介し、『友情』初版本や「愛と死」原稿などを展示。
開園時間は9時~17時。月曜休園(月曜が祝日の場合直後の平日)。実篤公園は入園無料。実篤記念館の入館料は、大人=200円、小中学生=100円。