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調布の老舗銭湯でクラシックコンサート 浴場を舞台に地域還元目指す

「梅の湯」の大浴場で開催されたクラシックコンサート

「梅の湯」の大浴場で開催されたクラシックコンサート

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 「第5回梅の湯×野ヶ谷の郷(のがやのさと) クラシックコンサート」が11月17日、調布の老舗銭湯「梅の湯」(調布市深大寺東町6)で行われた。

銭湯コンサートを主催した「野ヶ谷の郷」のスタッフメンバーと四家さん(左から2番目)

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 「野ヶ谷の郷」(深大寺東町6)が主催し、2021年に第1回を開催して以来、桐朋学園大学OBで「100万人のクラシックライブ」運営メンバーであるピアニストの高見秀太朗さんを中心に、「梅の湯」の大浴場内で毎年開いている同コンサート。5回目となる今回は、バイオリニストの柳澤良音さんをゲストに迎え、近隣住民を中心に約60人が来場し、非日常的な空間での生演奏を楽しんだ。

 調布市社会福祉協議会が設置した、市内7カ所ある市民活動支援センターの地域ブランチのうち、唯一、ボランティアスタッフのみで運営する「野ヶ谷の郷」。「であい・ふれあい・支えあい」をモットーに、地域住民が交流し、ボランティア活動や憩いの場として、2004(平成16)年、梅の湯商店会の空き店舗を利用しオープンした。

 立ち上げメンバーの一人で代表を努める四家綾子さん。事業の一環として、同施設内で利用者同士の歌や楽器のミニコンサートを開いていたが、コロナ禍の影響で困難に直面。たまたま同市内の施設で、高見さんのピアノ演奏を聴いたことがきっかけで、「地域の人に元気になってもらえたら」と演奏を依頼。四家さんの活動に賛同した、同じ梅の湯商店街で60年近く営む「梅の湯」が場所を提供し、「銭湯コンサート」が実現。毎年申し込み定員を超える盛況ぶりで、地域の人気イベントとなった。

 会場となった「梅の湯」は、定休日に大浴場を開放し、男湯・女湯に観客席を設置。来場者には「梅の湯」で使える銭湯の招待券を配布した。銭湯の高い天井が音を響かせ、ホールに近い音響の中、エルガー作曲「愛のあいさつ」で始まり、クラシックの定番から日本の唱歌まで幅広い8曲を披露。「ふるさと」が演奏されると、観客は自然と口ずさみ、会場は一体となって楽しんだ。

 今回初めて参加した近所に住む女性は「クラシックを聴く機会がなかったのでとても良かった。特に『ふるさと』が素晴らしかった。銭湯でしか味わえない雰囲気で、来年も楽しみ」と話し、代表の四家さんは「コロナがきっかけで始まったイベントだったが、今では楽しみにしてくれている方がたくさんいる。どんな逆境もアイデア次第で前向きに変えていくのが『野ヶ谷の郷』のいいところ。 これらも地域還元の思いで、続く限りやっていきたい」と話す。

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