循環型養殖で育てた東京都のブランド魚「奥多摩やまめ」を使ったメニューを提供するイベント「奥多摩やまめ、仙川で食べ比べ。」が2月20日、調布市仙川駅周辺の飲食店6店で始まる。
「奥多摩やまめ、仙川で食べ比べ。」イベントで使用する、アクアポニックスで養殖された「奥多摩やまめ」
同イベントは、京王電鉄(多摩市)の社員による新規事業創造プログラム「My turn」で、同社の田中亮介さんが起案し採択された事業の一環。水耕栽培と陸上養殖を組み合わせた循環型農業「アクアポニックス」を用い、東京都のブランド魚「奥多摩やまめ」の養殖と、ワサビやクレソンなどの栽培を同時に行う。生産した食材は京王線沿線の飲食店に提供し、環境負荷を抑えた地産地消を目指す。異常気象や生産者の高齢化などによる供給不安の解消や、個性的な個人経営の飲食店に「食材のストーリー性」という付加価値も提供する。
昨年11月には、調布市内の飲食店3店が実証実験に協力し、アクアポニックスで育てた奥多摩やまめを使ったメニューを提供した。イタリア料理店「trattoria filo(トラットリア・フィーロ)」(調布市仙川町1)ではパスタとして提供。魚の味や状態、価格、客の満足度などについてフィードバックを行い、同社で改善を重ね、「魚の味が格段に良くなった。生食でも食べられる珍しさで、お客さまにも喜ばれた」と同店料理長の伊藤泰宏さんは言う。
仙川の飲食店仲間の間では、以前から「仙川を個人飲食店が輝く街にしたい」「飲食店が連携したイベントを開きたい」という思いを共有してきた。今年1月、田中さんの起案の事業化が決まったことをきっかけに、「共通の食材に焦点を当てたコラボレーション企画」として、同イベントの開催が決定。今回用意する奥多摩やまめは計25尾程度。日頃から交流のある6店が参加し、各店が得意分野を生かしたメニューを提供する。
ワインバー「Le Sancerre(ル・サンセール)」では、洋風の南蛮漬け「エスカベッシュ」を提供。魚料理店「サカナヤアップ」は刺し身と押しずしを用意する。「食材のストーリーもお客さまに楽しんでほしい」との思いで参加する「和食篤」は甘露煮を、「街のイメージアップにつながれば」と参加する「BRACERIA CACTUS(ブラチェリア・カクタス)」はカツレツを、それぞれ用意。「それぞれの店のお客さま同士もつながれるのでは」と考え参加する「焼鶏 真」では一品料理の南蛮漬けを提供する。
「トラットリア・フィーロ」では、瞬間スモークした一品料理を用意。伊藤さんは「日頃思いを共にしている飲食店の仲間と一緒に開催できるのがうれしい。同じ食材を使った異なる料理を食べ比べ、ヤマメのさまざまな表情を楽しんでもらい、料理人の熱意や仙川の街の面白さを感じてもらえれば」と話す。