ホッピービバレッジ(港区)の調布工場(調布市多摩川1、TEL 042-485-1840)が1月27日、最新の生産機器を備えた「第三世代感動工場」を完工させた。
新工場内のコミュニティールームで、若手社員がおいしいホッピーの作り方を実演する様子
1910(明治43)年に設立した同社は生産力向上を目指し、1970(昭和45)年に赤坂から多摩川のある調布市に工場を移し、麦酒様清涼飲料水「ホッピー」を製造してきたが、さらなる品質力・安全性・生産量の向上の為、リターナブル瓶専用ラインを増設し、最新型生産機器を採用した。味の決め手となる濾過設備を一新するなど「品質力」向上とリターナブル商品の要である洗壜機の能力アップに加え、検査機能を強化することで「安全力」を担保する。設備のスペックアップと専門ライン化による生産効率アップで、生産量は従来の3倍以上を見込んでおり、工場周辺の臭気、騒音対策や緑化に取り組むなど環境面にも配慮する。新ラインは3月6日から本格稼働を予定する。
「他社のモデルになるような工場にする」と予算を投じた会長の意思を継ぎ新工場建設に取り組んだのが、昨年同社創業100周年に3代目社長に就任した石渡美奈さん。2006年、社員からの「ホッピーさんの工場に行きたいという電話が鳴りやまない工場に」という提案を受け、「第三世代感動工場」構想を打ち出し、5年越しで新工場落成にこぎ着けた。
工事の第1期は、5月に完成予定の50トンの発酵タンクと貯酒タンク増設をもって完了。第2期以降の工期は未定だが、旧工場の建屋を完成する最終工程を5年以内と見込み、同時に食品製造安全管理の認証「HACCP(ハサップ)」の取得を目指しているという。
石渡美奈社長は「竣工式に出席いただいた長友市長から『調布の誇りだ』という言葉をいただいた。ありがたく思うと同時に重く受け止め、調布の皆さまに愛し続けていただけるよう一層努力したい。また、今後は子どもたちにも工場見学などの機会をつくり、ものづくりの現場を体験してもらい、調布の名物工場といわれるようになりたい」と抱負を話す。