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東京外大生、福島の乳幼児・妊産婦支援-調布などへも協力も呼び掛け

福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクトのみなさん

福島乳幼児妊産婦ニーズ対応プロジェクトのみなさん

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 東京外国語大学(府中市)の舩田クラーセンさやか研究室を拠点にしている「福島乳幼児・妊産婦ニーズ対応プロジェクト」が現在、大学生が中心となって被災者支援に取り組んでいる。大学にも近く、メンバーの多くが住む調布市内の協力者が増えることで、より機動力が上がると考え、市民や市内の団体などに向けて積極的な活動PRを行っている。

 同大准教授の舩田さんは震災直後から、原子力発電所の事故による放射能汚染が妊産婦や小さな子どもに与える影響について危機感を抱いていた。同じように考えていた、子ども持つ研究者同士で連絡を取り合い、福島からの避難先を関西方面に用意。ところがなかなか実際の疎開にまでは結びつかなかった。

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 そこでまず「福島乳幼児妊産婦支援プロジェクト」を宇都宮大学に立ちあげ、避難者の聞き取り調査を開始。ただ寄り添って不安な気持ちを聞くことや家族単位の疎開先を探すなど、より現実に即した個別の対応が必要ということがわかった。

 具体的なニーズに対応するための実働部隊として立ち上げたのが「福島乳幼児・妊産婦ニーズ対応プロジェクト」。活動協力の呼びかけに、いち早く手を挙げたのが舩田さんのゼミ生や講義を受けた学生たちだった。ちょうど春休み中に地震が起きたため、留学先や帰省先にいて「学校に戻って何かできることはないか」と考えていたという学生や東北出身の学生による「外大東北復興支援隊」メンバー、すでに外国語の災害時マニュアル作成に取り掛かっていた学生もいる。

 学生たちは、「住宅マッチング」「引っ越しサポート」「家財道具マッチング」「保育サポート」の4チームに分かれ、それぞれ3人~10人の学生が所属。情報検索などに協力するボランティアを集めたり、ブログやツイッター、フェイスブックなどで協力の呼び掛けたりしてきた。

 同プロジェクトで「家財道具マッチングチーム」を率いる近藤菜月さんは、福島からの避難者が引っ越しの際に必要になる家財の提供者を探すため、まずは学生への呼び掛けからスタート。卒業で出身地に戻ったり、在学中に留学したりする人が多く、その引っ越しの際に不用な家財を提供してくれる可能性があると考えていた。ニーズが具体化するにつれ、子育て経験のある人や家庭を持っている人の協力が欠かせないと気付き、近くに住むお母さんたちや地域活動団体、地域メディアに個別に協力を求め、地元のお祭りでチラシを配布するなど精力的に働き掛けを行っている。

 舩田さんは「これまでも研究を通じて社会との関わりを学ぶよう学生を指導してきたが、震災後、その意識や行動が大きく変化している」と見ている。「放射能汚染は決して福島の問題ではなく、我々の問題。私たち大人は若者たちの未来を奪う側から、一緒に未来を創る側に立てるよう頑張らなくてはならない。学生を信頼して任せ、彼らとともに悩みながらこの活動を進めることがそのきっかけになれば」とプロジェクトを学生に任せる意義を語る。

 同プロジェクトは、赤い羽根「災害ボランティア・NPO 活動サポート募金」の助成と、三菱商事「東日本大震災復興支援助成金」の助成を受け、当面2年間の計画で活動を継続する。

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