雪で作ったシアターで映画上映会を企画・運営している「スノーコレクティブ」が12月8日、あきゅらいず森の楽校(三鷹市野崎)で東北支援イベント「北欧の森のクリスマス」を開催する。
「北欧の森のクリスマス」のポスター。自然のなかの暮らしに息づく文化のかおりがいっぱい
雪のシアターは、同団体の発起人、橋本晴子さんが北欧を訪れた際に出合った、北極圏イナリ村サーミ博物館で毎冬開催される「SKABMAGOVAT(スカブマゴバッド)映画祭」の雪劇場を再現するもの。同団体は、豪雪地、長野県斑尾の自然の中で2009年から、北欧さながらに雪のスクリーンで映画を楽しむ「みゆき野映画祭in斑尾~北欧・日本国際短編映画祭~」を開いている。
橋本さんは「東日本大震災の被災地に住む子どもたちに、同じ雪国のまだ見ぬ文化にふれる機会をつくり、雪の魅力を伝え、生きる希望をもってほしい」と考え、資金集めのためのチャリティー映画イベントを昨年9月から各地で開催。開催趣旨に賛同し、スウェーデンの玩具・インテリア販売の「ブリオ ジャパン」や北欧デザイン製品提案の「Scanjap Incorported」、被災地のママに絵本を送る「トラちゃんプロジェクト」、デザイン会社の「エルジェ」と、調布を含む各地で自主映画上映活動を行う「チャイカ・ムービーズ」などが協力する。会場は化粧品メーカー「あきゅらいず美養品」が提供し、同社が運営する多摩産材の床板が敷き詰められた179畳のコミュニティースペース「森の楽校」を使う。
プログラムは、北欧のアートアニメーションや北欧童話を題材にした人形アニメーションなどの映画上映、クリスマスツリーに飾る北欧のオーナメントづくり体験コーナー、読み聞かせや北欧のクリスマスの話が聞ける広場や北欧のおもちゃで遊べるコーナーを展開。北欧雑貨の販売やミニカフェコーナーも設ける。「東京に住む方々に北欧文化を楽しむ時間を持ってもらうことが、そのまま被災地支援につながる。そんなイベントにしたい」と橋本さん。
同チャリティー映画イベントはすでに宮城県、茨城県、山形県で開催したほか、同映画祭が北欧5カ国の大使館から後援を受けていることから、ノルウェー大使館とフィンランド大使館でも開催。今後、他の北欧の大使館でも順次開催し、山形県山形市(12月)、岩手県久慈市、宮城県気仙沼市、福島県いわき市での実施も予定している。
開催は10時~。入場料は大人300円、高校生以下は無料。詳しくはホームページで確認できる。読み終わった絵本を持参すれば大人も入場無料になる。集まった絵本は「トラちゃんプロジェクト」を通じて被災地に届けられる。