調布の布多天神社(調布市調布ヶ丘1)で9月23日・25日、恒例の例大祭が行われる。
同社の創建はあまりに古く定かではないが、927(延長5)年に制定された「延喜式」にもその名を連ねている多摩地区有数の古社。社伝によれば、今から約1940年前の第11代垂仁天皇の時代の創建といわれている。その後、1477(文明9)年に多摩川の洪水を避け、古天神という地より現在地へ遷座された際、御祭神、少彦名命に菅原道真公を配祀(はいし)された。
毎年9月23日に行われる同祭は、小島、上布田、下布田、上ケ給(仲よし祭りの会)、天神前の地区から集まったみこしに御神霊を移すための「みたまうつしの儀」を行い、とび職による木やりを先頭に、みこし大小9基、太鼓4基、山車3基、稚児行列が鳥居をくぐり、車両通行止めにした旧甲州街道を渡御(とぎょ)する。また、神楽殿では翁家和助一座による大神楽の奉納演芸も行われる。
25日には、神職と氏子代表約90人による、古式にのっとった神事「大祭式・時代行列」や、みこによる「浦安の舞」が奉納される。また、古事記、日本書紀の神話を演じる「里神楽(さとかぐら)」のほか、神楽殿でかがり火と祭ちょうちんに照らされる中、薪夜神楽(たきぎよかぐら)も行われる。
宮司の野澤康次郎さんは「おみこしなどが出る楽しい、年に一度の『まつり』を大勢の市民に楽しんでいただきたい。私たちは日頃、神に守られていることをあまり実感しないが、この機会にあらためて神のご加護に対して感謝してみてはいかがでしょうか」と話す。
開催時間は、23日=12時~18時、25日=10時~。23日13時~18時は、旧甲州街道、調布駅~布田駅周辺で交通規制が行われる。