調布駅北口にある商店会「上布田商栄会」が街路灯を一新、ポールが光り、タイマーにより光色も変化する日本初のLED街路灯に生まれ変わる。11月23日に記念イベントと関係者対象の見学会を開催する。
日本初の街路灯の設置を記念して開催される「謎解き」イベントのチラシ。当日のイベントのヒントも隠されている
布田1丁目を中心に101店が加盟する同商店会。旧街路灯が設置されたのは30年以上前。老朽化が目立ってきたため、街路灯の立て替えを5年前から検討し始め、関東近隣の特徴的な街路灯の視察などを何度も重ねた。たどり着いた新街路灯のコンセプトは「調布モダン」。点灯するポール部分には「調布」の名前の由来となった「布」をモチーフとしたデザインを施し、グラデーションをつけて自然で柔らかな陰影を演出した。また、光の色は5パターン用意し、春夏秋冬と9月末の布多天神例大祭時で異なる発色をさせる予定。印刷した広告などを差し込むスペースも持つ。製作業者によると、ポールが光る街路灯は銀座などにもあり、また商店会入り口などに置かれるシンボル的なものだけ、色が変わるものはほかにもあるが、全ての街路灯が色まで変わるのは日本初という。全てにソーラーパネルが設置され、来年には防犯カメラも10台、取り付けられる。
コンセプトを手掛けたのは東京照明設計の矢野大輔さん。矢野さんは武蔵野美術大学卒業後、照明大手のライティングプランナーズアソシエーツに入社。同社勤務時代に「キャンドルナイト@表参道」など、明かりを活用した地域活性イベントにも携わる。その後独立し、同市多摩川に移住したのを機に、自身のノウハウを地元で生かし「布多天神社あかり計画」やキャンドルナイトなどを実施している。コンセプトは同商店会内に設置した実行委員会に引き継がれ、同実行委員会メンバーで、同市でデザイン事務所「パンデコングラフィックス」を経営する原子尚之さんが実現化に尽力した。
工事は3期に分かれ、今回の1期で旧甲州街道沿いの16本を、また2014年11月末までに南北に通る道路沿いの8本を設置する。残りは京王線地下化に伴う線路跡地の開発工事に合わせ設置。費用は助成金制度を使い、同商店会と東京都、および調布市で負担する。設計・製作は東証2部上場のリード、販売は同社代理店のリード東京販売。
記念に開催される「謎解きイベント」は、同市内在住の児玉寛人さんが代表を務める「調布謎倶楽部」が企画・運営。「上布田商栄会と不思議な手紙」と題し、当日受付で手渡される手紙を頼りに、街路灯に掲示された謎などを解いていくことで、手紙の差出人からのメッセージを見つけ出すもの。謎が全て解けた人には、同商店会で使える500円のお買い物券がプレゼントされる。
同商店会の田中國男会長は「長年、積み立ててきた商店会のお金で、素晴らしい街路灯を作ることができ感無量。点灯の確認はまだこれからだが、当日のイベントに参加して日本初の街路灯を多くの方に見ていただきたい」と話す。
謎解きイベントはSMBC日興證券(しょうけん)調布支店(布田1)前に設置された特設テントで受付。受付時間は10時~15時。参加無料。所要時間は1時間程度。また、同日は大島の災害支援を目的とした物産販売も予定している。街路灯の点灯は16時前後の見込み。イベントに関する問い合わせはうつわ和季(田中さん、TEL 042-482-2775)、街路灯は同市・産業振興課(TEL 042-481-7185)まで。