調布の和雑貨店「和季」(調布市布田1、TEL 042-482-2775)は5月29日から、京友禅染の着物を着せ替えができるように作られたテディベア「京都べべどーる」の実演会を行う。
「京都べべどーる」は着物メーカー京藝(京都市上京区)が伝統や職人技を残したいという思いから、誰もが手にとって触れられるように創作したもの。可能な限り本物と同じ工程、技法、素材で作られている。
同店の田中和己さんが以前、京都で友禅染の体験をしたことがきっかけで、「京都べべどーる」教室を同店で開こうと友禅染の勉強を始めた。水にぬれると消えるつゆ草の汁から作った青花ペンで柄付けし、細い筒から金泥を絞り出し図柄に沿って描き、染めていく技術を習得した。
同イベントは呉服(5・2・9)の日に合わせて同日から開催。関心を高めることを目的に、間近で伝統技術に触れてもらうという。田中さんは「呉服離れや伝統離れから職人も少なくなり、20~30年後には染め織りが無くなってしまうという危機感を持っている。染めの大変さを実感することで、伝統を残していければ」と話す。今夏からは全8回のコースで教室を開始する予定。
期間中は同市在住の京友禅作家・林裕峰さんが来店し、携帯電話や鍵などに友禅の絵柄を描き、純金粉を混ぜ込んだ特殊樹脂を使って留める「くりすたるあーと」の実演も行う。
開催時間は10時~19時。今月31日まで。