
小田急バス「晃華学園東」バス停折返場に建設中の、住まいと商いが一体となった「なりわい住宅」複合施設「meedo(みいど)」(調布市深大寺東町2)で3月16日、「なりわい暮らし はじめて相談会」が開催された。
同施設を手がける小田急バスでは、「路線沿線の住宅街の住民同士のつながりを強め、地域を活性化し、『小田急バスが走る街に住みたい』と思ってもらえることを目指している」という。鉄道駅周辺の繁華街から離れた住宅街にあることが多いバス折返場を活用し、地域の新たな価値を創造する施設の第1弾として、2021年、武蔵野市内に店舗兼用住居「なりわい住宅」の複合施設「hocco(ホッコ)」を開業した。
第2弾となる今回は、閑静な住宅街でありながら、スーパーや病院などが集まり、日頃から地域住民が行き交う調布・深大寺の同折返場を選んだ。なりわい住宅のほか、シェアカーやシェアサイクル、シェアキッチンも設け、単なるバス折返場ではなく、「交通と地域交流の拠点」になるよう計画。地域の人々が集い、憩う場となることを目指す。
同施設は災害時の共助の拠点としての機能も備える。新たに掘削した施設のシンボルである井戸は、太陽光をエネルギーとして水をくみ上げ、停電時でも水を提供することができる。憩いのベンチは、災害時にはかまどとして使え、共用部に設置するシェアキッチンは、帰宅困難者などの一時避難所の役割も担えるようにした。
総敷地面積は約1775平方メートルで、店舗兼用住宅は全部で7戸。商売の規模の違いを想定して異なる広さの物件を用意するほか、アトリエやSOHO向けの3戸も用意する。隣接する緑地に面するエリアには住宅専用タイプ3戸も建設。大手のショッピングセンターとは異なり、個性的な店が集まる施設を目指すという。
当日は、設計を担当したブルースタジオ(中央区)のスタッフが、施設のコンセプトや物件の詳細を案内。小規模な商売を想定して1階部分の一部を土間にした物件を中心に、完成間近の物件内部なども見学した。現在、入居者を募集しており、入居希望者には個別の相談や内覧にも応じている。
小田急バス不動産ソリューション部の萩原さんは「地域の皆さんにとっても、入居する皆さんにとっても、普段は楽しく、新しい発見ができる場として、災害時には地域を支える存在になれれば」と話す。