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調布・神代植物公園のショクダイオオコンニャク、異例の発芽で植え替え

大きなショクダイオオコンニャクは植え替え作業も大変

大きなショクダイオオコンニャクは植え替え作業も大変

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 都立神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)で6月3日に開花したショクダイオオコンニャクが、ほとんど休眠することなく6つもの芽を出した。異例の出来事により同園は7月17日、急きょ植え替え作業を行った。

小学校4年生くらいと同じ重さ(33キロ)の芋

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 ショクダイオオコンニャクはスマトラ島原産のサトイモ科コンニャク属で、数年に一度、巨大な花(花序)を数日間だけ咲かせる。大きな花びらのように見える仏炎苞(ぶつえんほう)を開くとき強烈な悪臭を放つのが特徴で、珍しい見た目とともに注目を集める。6月3日の夜間公開では雨の中を2000人以上が足を運んだ。

 ショクダイオオコンニャクは自家受粉しないため、4日に花粉を回収・保管し他の植物園に提供。6日に仏炎苞が閉じ、翌日には中央に伸びていた付属体も倒れた。19日に地上部全体が枯れて倒れ、27日に芋(塊茎=かいけい)と切り離した。

 芋は通常ここから何カ月間か休眠期に入り、やがて1つの芽を出して葉か花に成長する。ところが今回は切り離してから3週間もたたないうちに芽が現れ、しかも通常の発芽位置である中央部以外からも5つ芽が出るという予想外のことが起きた。栽培担当の高橋さんは「ほとんど休眠せず、こんなにたくさんの芽が出るとは」と驚いた。

 さっそく担当者らは芋を掘り起こし、栄養を含んだ新しい土に植え替えた。芋の重さは33キロあったという。広報担当の土方千鶴さんは「今後どう成長するか分からないので、皆さんも楽しみに見守っていただければ」と話す。同園ではこれまでに預かった鉢を含めて7回ショクダイオオコンニャクが開花し、いずれも休眠後に葉が出芽した。

 同園では2022年に「葉と花が同時に現れ成長する」という世界で2例目となる珍しいことが起きた。今回の6つの芽が今後、一体どうなるのか世界的にもまれなケースとして関係者は関心を寄せている。同鉢は大温室の熱帯スイレン室にあり、同じ場所で別の株も栽培している。

 開園時間は9時30分~17時(入園は16時まで)。月曜休園(祝日の場合は翌日)。入園料は、一般=500円、65歳以上=250円、中学生=200円(都内在住在学の中学生は無料)、小学生以下無料。

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