神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)で現在、「第65回神代植物公園 菊花大会」が開催されており、来園者の目を楽しませている。
同大会は1961(昭和36)年の開園時から続く恒例の催しで、秋の風物詩になっている。愛好家が丹精込めて仕立てた菊の美しさを競うとともに、大会シンボルの「神代花車」が会場を華やかに彩る。
神代花車は、同園の職員5~6人がかりで荷車に色とりどりの小菊を組み上げた大作。30年以上前から毎回制作・展示している名物で、迫力ある姿と見事な菊が注目を集める。
「神代植物公園菊花連盟」の会員が育てた菊の作品は部門ごとに展示し、厳正な審査によって各大臣賞や都知事賞などを選ぶ。大菊の基本の仕立て方である「盆養(ぼんよう)」は、1本の苗から3本の枝を伸ばして3つの大菊を調和させて咲かせる。「福助作り」は小さな5号鉢に1輪の大菊を花首までの高さ40センチ以下で咲かせる。「だるま作り」は福助作りより一回り大きい7号鉢に、大菊の3本仕立てを花首までの高さが60センチ以下に収まるよう仕上げる。
さらに、草本である小菊をわずか15カ月で老大樹のような容姿に仕立てた「小菊盆栽」は、ひと味違う趣で見る人を感心させる。同園職員が育てた「古典菊」は、変化に富んだ中輪の花形が特徴。江戸時代に地方独自の美意識で発展した「江戸菊」「嵯峨菊」「伊勢菊」などがある。広報担当の金川美佐さんは「秋空の下、伝統が息づくさまざまな菊の姿を楽しんでいただければ」と話す。
開園時間は9時30分~17時(24日は16時まで、最終入園は16時まで、24日は15時まで)。入園料は、一般=500円、65歳以上=250円、中学生=200円(都内在住在学の中学生は無料)、小学生以下無料。11月24日まで。