京王線調布駅近くのフェンシングクラブ「MNH(エムエヌエイチ)フェンシングクラブ」(調布市調布ヶ丘1)に所属する選手4人が11月12日~20日、バーレーンで開催された「2025世界ベテラン選手権大会」に日本代表として出場した。
製造業やソーシャルビジネスを展開するMNH(同)の関連会社が設立した同クラブ。マイナースポーツであるフェンシングを楽しめる環境を提供し、競技人口の拡大を目指している。都内で数少ない専用施設を整備し、幼児から70代まで通える多彩なクラスを用意。現在は約120人が在籍し、技術指導に加えて、大会開催や地域イベントなど普及活動にも積極的に取り組んでいる。
世界ベテラン選手権大会は、国際フェンシング連盟が主催する40歳以上の選手が世界最高峰を競う国際大会で、世界各国の代表選手が出場する。日本代表は、日本フェンシング協会が年3回実施する選考会の総合成績で決定。同クラブから、黒田貴子さん、菊地恵子さんら4人が選考会を勝ち上がり、日本代表に選ばれた。
同クラブから女性が日本代表に選ばれるのは初めて。いずれも大人になってからフェンシングを始め、競技歴は数年程度。始めたきっかけは、「友人に誘われ軽い気持ちで体験した」「子どもが習っていて興味を持った」などで、「フェンシングが好き」という人たちが集う中、楽しく練習に励んできたと言う。小澤尚弘社長は「勝つことだけが目的ではなく、楽しむことが大切。目標や仲間を持ち、時には限界を超えるような経験がスポーツの醍醐味(だいごみ)」と話す。
黒田さんは「1勝はしたいと思い、自分なりにできることはやったが、世界の壁は高かった。海外の会場で、日本代表として国章を付けて出場できたのはうれしかった」、菊地さんは「やっぱり勝てなかったというのが正直なところだが、日本代表チームとして参加できたのは貴重な体験だった」と、それぞれ大会を振り返る。小澤社長は「今後、大人の会員をさらに増やし、大人が楽しめる大会も企画していきたい」と話す。