7月1日から生食用「牛レバー」が販売禁止となるのを受けて、外食チェーン「い志井」(本社=調布市下石原2 TEL 042-499-3448)では、グループ全店で生の豚レバー(レバテキ)の提供を中止することを明らかにした。
「い志井グループ」の本店にあたる「もつやき処い志井」の外観写真
1950(昭和25)年に創業し、現在ではホルモンを主力に提供する店として日本でも指折りの店舗数を抱える同グループ。六本木・東京ミッドタウンにある「東京ハヤシライス倶楽部」などの洋食店を含め、現在115店を運営している。うち、レバーを扱っているのは約90店。
同グループでも1・2位を争う人気メニューの「レバテキ」は豚レバーのため、今回の規制の対象にはならない。グループ内でも豚レバーであることや売り上げに与える影響が大きいなどの理由から、販売継続を望む声も多く上がったが、石井宏治会長は「生レバーに対して、これだけ世間の関心が高まっている中、『うちは豚なので大丈夫』というのは客に対して優しくない」と提供中止を決断。
「レバテキ」を目当てに月に1度は足を運んでいるという40代の男性は「レバーはあまり得意でないが、『い志井』のレバーだけはおいしく食べられ、好物にまでなった。この味がなくなってしまうのは本当に残念」と話す。
6月に入ってからは、「レバテキ」存続が危ぶまれたこともあり、通常の2倍~3倍の注文があるという。これに対し、同グループでは豚レバーを使った新メニュー「レバームース」を開発。豚レバーのみで作っているにも関わらず、臭みなく食べられるようにした自信作だ。洋食系の店舗のみで提供を開始したが好評のため、他のグループ店でも近日中に提供を始めるという。
石井さんは「鮮度と味には絶対の自信を持っている『レバテキ』を、またお客さまに食べていただける日が来ることを願っている」と話す。