神代植物公園で「吸血コウモリ」に見えるラン「ドラクラ・ベラ」開花

花のような「がく片」が垂れ下がり、吸血コウモリを思わせるラン「ドラクラ・ベラ」

花のような「がく片」が垂れ下がり、吸血コウモリを思わせるラン「ドラクラ・ベラ」

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 都立神代植物公園(調布市深大寺元町5、TEL 042-483-2300)の大温室内の「ラン室」で、バスケット型の鉢の底から下垂して咲く「ドラクラ・ベラ」が開花し、来園者の注目を集めている。

珍しい花「ドラクラ・ベラ」の開花に来場者の注目が集まっている

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 同花はラン科ドラクラ属の多年草で、原産地はコロンビア中西部にある山脈の標高1800~2200メートルの湿った森林。属名のドラクラは「小さな竜」「双翼の怪獣」の意味で、花のような「がく片」が垂れ下がり、吸血コウモリを思わせることに由来する。ベラは「美しい」という意味。

 同園では、昨年3月に1鉢導入し今年2月に株分けをした。花芽を確認したため4月下旬と5月上旬に1鉢ずつラン室に展示したところ、鉢の下から花茎が伸び間もなく1輪開花した。以後、花芽が順次成長し開花を続けている。三角形の「がく片」は大人の手のひらほどの大きさで、3つの頂点が伸びて赤いひも状に長く垂れ下がる。薄い黄緑色の地に濃い紫赤色の不規則な斑点が縁辺部に入る。中央に白い唇弁(しんべん)が付き、腎臓に似たソラマメ形をしている。その脇に1センチほどの小さな花弁があり、薄い黄緑色で先端に暗紫赤色斑とイボがある。

 展示は、花の様子が見やすいように大温室の天井からつり下げている。現在は2鉢合わせて9つの花が咲き、2つのつぼみがある。近くに同属で別種の「ドラクラ・ポリフェムス」も展示されており、色や形を見比べることができる。

 市内から来たという女性グループは「面白い形をしている」「珍しい花が見られて良かった」などと感想を言い合い、近所に住んでいるという男性客は「鉢底から出て咲いているが、野生ではどうやって花茎を伸ばすのだろう」と観察しながらカメラで撮影していた。同園担当者によると「木の幹や岩の上などに根を張り付かせて生育する着生ランなので、高い場所で根の脇から花茎を下に出すのでは」とのこと。「順調に咲いているので大勢の来園者に見て楽しんでもらいたい」とも。

 花は開いてから2週間ほど咲き続け、7月上旬まで楽しめる見込み。

 開園時間は9時30分~17時(入園は16時まで)。月曜休園(祝日の場合は翌日休園)。入園料は、一般=500円、65歳以上=250円、中学生=200円(都内在住在学の中学生は無料)、小学生以下無料。

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