調布市グリーンホール(調布市小島町2)で10月15日、オペラ「細川ガラシア」が上演される。
同公演は、日伊国交150周年を記念し、宣教師であり作曲家、音楽家のヴィンセンツォ・チマッティさんが作曲したオリジナルの3幕で構成。主催はサレジオ神学院チマッティ資料館で、責任者はガエタノ・コンプリ神父。チマッティ神父は1965(昭和40)年、調布市でこの世を去っている。
チマッティ神父は約950曲を作曲し、そのうち約400曲は日本語の歌詞で作った。「細川ガラシア」は1940(昭和15)年に日本語の最初のオペラとして日比谷公会堂で初演され、その後15年かけて同市で完成させた作品。1960年代にはオーケストラでアレンジされた作品が公演されていたが、チマッティ神父は満足できなかったといわれている。今回は、同オペラをオリジナルのまま忠実に再現し全3幕を上演する。
主人公の細川ガラシアは織田信長配下の武将明智光秀の三女として生まれ、16歳の時細川忠興に嫁いだ。本名は玉子(たまこ)。1582年父光秀の本能寺での信長への謀反により、忠興は玉子と19歳の時離縁し、2人の幼児とともに丹後の山里、味土野(みどの)へ幽閉される。その2年後には復縁を許され大阪の玉造の屋敷に住むようになり、同地の南蛮寺でキリスト教に出会う。玉子が25歳、1587年の時、清原マリアより洗礼を受け、神の恵み「ガラシア」という洗礼名を授かる。後に天下分け目の合戦、関が原の戦いの端緒ともなった石田三成による細川邸襲撃の際、三成の人質になることを拒み、子どもを逃がし猛炎の中、最後の祈りをささげ、家臣に胸を突かせ壮烈な最期を遂げたといわれている。
同公演の演出は馬場紀雄さん、指揮を河村逸平さんが務め、総勢15人のオペラ歌手らが出演する。
16時開演。チケットは全席指定で、S席=5,000円、A席=4,000円、B席=3,000円、C席=2,000円。グリーンホールとサレジオ神学院で扱っている。