調布・つつじヶ丘にある「和菓子処 今木屋」(調布市西つつじヶ丘3、TEL 042-482-3619)が現在、3月3日の桃の節句に向けてひな祭りの和菓子を販売している。
明治元年に日本橋で創業した同店は、当時日本橋周辺のデパートにも入っていた老舗の和菓子店で、戦後つつじヶ丘に店を構え60年以上になる。現在は5代目の小宮崇さんを中心に、家族で四季折々の季節を感じられる和菓子やオリジナルの創作菓子を作っている。
同店は、2013年に同市で開催された「スポーツ祭東京」に列席した三笠宮彬子女王に和菓子を献上。進物として人気の「皇室献上どら焼き」(150円)は、夏と冬では生地と餡(あん)の加減を変えるこだわりで、生地はふわりと焼き上げ、自家製餡は小豆本来の香りを味わえるよう純度の高い氷砂糖を使い、口の中で溶けるやわらかさに仕上げたという。
同店が販売する和菓子は常時30種類ほどで、そのうち季節の商品は約15種類。春は桜、夏はアンズ、秋は栗、冬はユズなど、折々に変化する日本の四季の移ろいを和菓子で表現し、目と舌で楽しめるよう工夫しているという。小宮さんは、同市などに依頼され和菓子教室も開く職人で、伝統を大切にしながらもオリジナル和菓子の創作や、土産として地元を盛り上げる菓子作りを信念に精進を重ねている。
桃の節句には、もち米の種に上白糖をまぶして絡める手作りの「自家製ひなあられ」(400円)が売れ筋で、市内の幼稚園からも大量注文が入る。小宮さんが得意とする「練り切り」と呼ばれる上生菓子は、ひな祭り用に「おびなとめびな」(各250円)や「桃の花」(240円)などを用意。ひな祭りの祝いに子どもが喜ぶと、多くの母親らが購入していくという。そのほか、生ヨモギをついた草もちや道明寺とクレープ型の2種類の桜もち(以上140円)なども販売する。
小宮さんは「和菓子は四季折々の移ろいを楽しめるスイーツ。和みの時間にお客さまに喜んでいただける和菓子作りをモットーに、伝統的な和菓子のクオリティーを上げながら新しいものを創作していきたい。季節によって変わる商品を四季とともに楽しんでいただければ」と話す。
営業時間は9時30分~19時30分。水曜定休。