調布で絶滅危惧種「イノカシラフラスコモ」特別展 井の頭池で「60年の眠り」から目覚め

絶滅危惧種の水草「イノカシラフラスコモ」

絶滅危惧種の水草「イノカシラフラスコモ」

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 都立神代植物公園の分園「植物多様性センター」(調布市深大寺北町1、TEL 042-485-1210)で現在、絶滅危惧種の水草イノカシラフラスコモの特別展を開催している。

「60年の眠り」から覚めたノカシラフラスコモを展示

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 イノカシラフラスコモは車軸藻(しゃじくも)類という緑色藻類の仲間で、日本の固有種。全体の長さは20~30センチメートル、主軸(茎)の直径は0.5~0.7ミリメートルと細く、雌株と雄株に分かれている。1957(昭和32)年、井の頭恩賜公園(三鷹市・武蔵野市)の井の頭池と神田川上流で発見され新種として記載された。その後、発見地では絶滅したと考えられ、千葉県市川市以外に生育地が見つからなかった。環境省のレッドデータブックで最も絶滅が危惧される「絶滅危惧I類」に記載されている。

 井の頭池で2015年11月~2016年3月、水質改善と外来種の駆除のために水を抜き堆積した泥を出して池底を天日にさらす「かいぼり」を行ったところ、池の透明度が向上しイノカシラフラスコモが発芽した。

特別展ではイノカシラフラスコモの実物を展示し、パネルで解説するほか、関連書籍も閲覧できる。あわせて、かいぼりについてもパネルで紹介する。

 担当者は「約60年ぶりに長い眠りから目覚めたイノカシラフラスコモをこの機会にぜひ見てほしい」と呼び掛けている。

 開園時間は9時30分~17時(入園は16時まで)。月曜・祝日翌日休園。入園料のみ(一般=500円、65歳以上=250円、中学生=200円、都内在住在学の中学生・小学生以下無料)。6月4日まで。

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