調布市布田の酪農家・小野一弘さんが経営する「小野牧場」(調布市布田3)の牛舎で5月31日、子牛が産まれた。
生まれた子牛の体重は約35キロ。小野さんが、夜中に鳴き声で目が覚め、牛舎に駆け付けたときには、子牛は自然に産み落とされ、自力で歩き、母牛が体をなめてきれいにしてあげていたという。予定日より3日ほど早い誕生だったが、母牛も子牛も元気な様子。母牛にとっては2度目の出産となった。
出産の3~4時間前、母牛は、乳房が急に大きくなって乳がたれ、立ち上がったり寝たりを繰り返すなど、陣痛から出産に入る兆候が見られた。逆子や赤ちゃんが大きい場合、引っ張りだすこともあるというが、今回は自然出産となった。「母牛は産後、低カルシウム血症を起こしやすく衰弱死することもあるので注意が必要だが、元気そうでホッとしている」と小野さん。
新しい命の誕生に小野さんは「人と同じ10カ月の妊娠と、生死を分けることもある出産を乗り越えて、母牛は牛乳を出すようになる。生命の営みや命の連鎖に誇りを持って酪農業を続けている。消費者の皆さんには牛乳を大切に飲んでほしい」と話す。