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調布・仙川で東京陶芸「三代展」 陶芸家・辻親子3代が初の合同展

辻厚成さん・作品

辻厚成さん・作品

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 東京アートミュージアム(調布市仙川町1、TEL 03-3305-8686)で現在、東京陶芸家の辻厚成さんと息子の造形陶芸家・辻厚志さん、厚成さんの母親で女性陶芸家の草分け辻輝子さんによる「『東京陶芸三代展』-紅(あか)と情熱-」が開催されている。

辻厚志さん・作品

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 厚成さんは1942(昭和17)年東京都に生まれ、父親は日本犬研究家の斎藤弘吉さん、母親は輝子さん。幼少期から土に囲まれて育ち5歳で作陶を始め、9歳で作品を発表すると、12歳で自身の窯を持ち、初個展を開催。和光学園、玉川学園を経てメキシコ国立美術大学サンカルロスで学び、現在は都内に窯を持つ陶芸家として自らを「東京陶芸家」と称す。厚成さんが生み出した赤い上薬を用いた作品は「厚成紅(こうせいあか)」と呼ばれ、彼の陶芸を象徴する存在になっている。世界初の貴金属粘土を用いた作品制作など、伝統にとらわれない新しい陶芸の世界を築いている。

 厚志さんは1976(昭和51)年東京都生まれ。父親の厚成さんの下で2歳から土に親しみ、セントメリーズ・インターナショナル・スクールで幼稚園から高校まで一環教育を受ける。1998年「辻厚成 作陶50周年『土と炎』展」に特別出品して以来、従来の陶芸のイメージを変え明るく都会の光彩を放ち宇宙を目指す作品づくりを志している。2001年にはブルガリの時計部品から新感覚のモダンオブジェを発表し、日本人で初めてブルガリのアーカイブに作品が永久収蔵された。

 厚志さんの祖母にあたる輝子さんは、1920(大正9)年東京都生まれ。1938(昭和13)年駒沢高等女学校(後の駒沢学園女子高校)卒業後、大森光彦と富本憲吉に陶芸を師事し浅香金四郎に日本画を師事した。翌年「ニューヨーク万国博覧会」に出品して以来、「サンフランシスコ万国博覧会」「東京府現代工芸美術展」と立て続けに出展。北大路魯山人と交流を持つなど広い交友関係を持ち、多角的な作家活動をする。仙台万華鏡美術館(宮城県仙台市)には「辻輝子ギャラリー」が常設されている。著書「手づくりの陶芸」「花の画集」「万華鏡」「人生は万華鏡」などがある。

 オーナーの伊藤さんは「辻親子3代の作品約30点をそろって展示するのは初めて。この機会をお見逃しなく」と話す。

 開館時間は11時~18時30分(入館は18時まで)。月曜~水曜休館。入館料は、一般=500円、大学生・高校生=400円、小中学生=300円。6月25日まで。

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