調布市の市立小学校各校で4月6日、入学式が行われた。
市内最大規模の上ノ原小学校(調布市柴崎2、TEL 042-485-1271)では173人(予定)が入学、染地小学校(調布市染地3、TEL 042-485-1285)の新入生の数は41人と市内最低となり、その差は4倍を超える。
上ノ原小学校は、学区内に大型住宅などが建設されたことなどにより生徒数が大きく伸び、昨年の全児童数は1013人(2017年5月時点)。染地小学校の全児童数は212人(同)で、同学区内のマンモス団地「多摩川住宅」の居住者の高齢化などにより生徒数が減少し、両校の格差が広がった。
生徒数が減少すると、学校の統廃合の可能性が出てくる。文部科学省は統廃合の必要の可否について「クラス替えができるかどうか」を大きな判断基準としているため、小学校は6学年が全て1クラスになると、統廃合の適否を検討する必要がある学校として分類される。染地小学校のクラス数は昨年度、6学年の内5学年が1クラスのみと後がない状況。
近隣住民の間でも、統廃合については以前から話題が尽きない。同校に6年間通ったという市内に住む30代の男性は「私の世代が卒業する頃には1学年1クラスになってしまい、統廃合もうわさされていた。母校は思い出が置いてある場所なので、できればいつまでもなくなってほしくない」と、心境を語る。
子どもの偏りを軽減できれば、状況の改善が見込まれる。教育委員会は対策として、同校に隣接した国領小学校、杉森小学校、第二小学校の学区に住む新入生は、入学時に申請をすれば同校に指定校変更が可能としているが、現在のところ状況は変わっていない。
同校の学区内にある「多摩川住宅」は2023年着工予定で建替工事が始まり、新しい人の流入が見込まれ、同校の存続に良い影響を与えることが期待されている。