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調布発祥の野外映画企画「ねぶくろシネマ」、全国からラブコール 駅の壁画モチーフにも

調布駅広場口の地上部建物の壁面に描かれたねぶくろシネマ「多摩川映画上映会」

調布駅広場口の地上部建物の壁面に描かれたねぶくろシネマ「多摩川映画上映会」

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 調布駅広場口の地上部建物の壁面に3月29日、ねぶくろシネマ「多摩川映画上映会」の壁画が描かれた。

島根県益田市・万葉公園太陽の広場でのねぶくろシネマの様子

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 壁画イラストのモチーフとなったのは、調布発祥の野外映画イベント「ねぶくろシネマ」。フェイスブックでは壁画を見た市民が「"映画の街 調布"の象徴!!」「こういうのが伝説になったということなんだろうな。」(原文ママ)などと投稿をし、話題になっている。

 同イベントは、夜空の下、寝袋に包まって映画を楽しむというコンセプトの野外映画上映イベント。調布市内に住む父親を主とするメンバーで構成する合同会社パッチワークスが企画・運営する。初回の2015年12月から現在までで全国では22回の開催、延べ約7000人を集客している。

 同社代表の薩川良弥さんは「調布市から、市の映画の取り組みに対する市民の声を聞きたいという相談を受け、市民の方々を募って行った会合『調布を面白がる会』で出た意見がきっかけ。参加者の方の『小さい子どもがいる家族は、周りに気を遣うので映画館に行くことができない』という意見に共感が集まり、『親子で映画を楽しめる映画館をつくる』という取り組みを行うことを決めた」と開催に至った経緯について話す。

 「スクリーンが無いので、鉄橋の橋脚に映画を映す」、「真冬で寒いので、寝袋に包まって映画を楽しむ」など、課題を魅力に変えるアイデアが話題となり、最初の開催は100人以上、3カ月後に行った2回目の開催は400人を超え、多摩川河川敷に作った親子で映画の楽しめる野外映画館は大人気イベントになった。同イベントでは「子どもは声を出してもいい」、「そして大人はそれを許してあげる」というのが観覧者で共有するルール。子どもたちの感情から出る素直な言葉や笑い声がつくり出すアットホームな雰囲気も、ファンを引きつける大きな魅力の一つとなっている。

 現在ではさまざまな場所から開催の依頼が寄せられるようになり、北海道、宮城県、島根県など活動の幅を全国に広げている。薩川さんは「行政の方、地元企業の方、そして市民の方々など、地域のさまざまな立場の方の力を合わせることができたことで『ねぶくろシネマ』が生まれた。難しいと思われることでも実現できる人たちが地域にいることが、調布の魅力だと感じているし、市民として誇りに思う。調布発祥の取り組みとして、全国の方にこの意義と感動を届けていきたい」と意気込みを語る。

 次回は4月21日に愛知県岡崎市で開催。今年の調布での開催については未定。

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